伝わるまで何度でも
このところ、やっつけで宿題をしてきては、レッスン時間の大半を宿題の直しで終わっている状態になっていた子に、何度か話をし、今日はようやく、ある程度きちんと考えたと思われるものと残ったものという状態で持ってきてくれました。
受験塾と掛け持ちが始まったので、いい加減に全部するぐらいなら、宿題は残ってもいいと何度も言っていたので、ようやく聞いてくれたとほっとしました。
やり残したプリントの中に、78.9mのロープを6mずつ切り分けると何本とれてどれだけ余るかという問題があったのですが、最初は計算ミスをした上に18.5本とれて0.9m余ると書いていて、何本とれるか聞かれて、18.5本とか11.2本とかいう答えはあるのか尋ねたところ、口ではないといったのに、計算し直して、13.1と小数第1位まで計算をしていました。初めは筆算に小数点をまだつけていなかったので、敢えて、「131本取れるの?」と聞いてみたのですが、計算をし直すだけ。し直したらし直したで13.1という答えになります。
ロープを渡されて、6mずつ切っていくのよ?1本切ったら残りは72.9m、2本切ったら66.9mよね?と言っても、まだ「ああ」という反応をしてくれません。恐らく、「切り分ける」という言葉や、このところ小数÷整数の学習をしていたことなどで、割ればいいんだろうと考えたということなのだろうと思います。
割り算を使わなくても解けるよ?と言ってもダメだったので、78.9-6を筆算で書き、その答えから更に6を筆算で引き、引けなくなるまで引いてと言って見ていたところ、しばらくしてようやくゆるゆると動き出し、13回目の6を引いたところで0.9が残りました。
その段階で答えを尋ねると、「13本とれて0.9m余る」と初めてきちんと答えてくれました。
恐らく、何をしたかの意味が分かったからだろうと思います。
たとえまどろっこしくても、意味も分からずただ計算して、合っているのかどうかわからない答えを書くぐらいなら、繰り返し繰り返し引き算をして、取れなくなるまで計算すれば、自分が何をしているか、ある意味でロープを渡されて、1本ずつ切っていくときの作業と同じことをイメージできるとも言えるかもしれません。その経験をした上で、割り算をし直せば、自分がしていたことの何がおかしいのかにも気づけるのではないかと思います。
解き方を教えるのは簡単ですが、子ども自身が何をしているのかわかっていなければ、結局役に立たないということは少なくありません。
最初に時間をかけてしっかり納得することは、本当に大切なことだと思います。
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