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2025年2月20日 (木)

分かりやすい例

教室の子たちには、計算の仕方を覚えさせるのではなく、考えてもらうよう促すのですが、先取りなどで計算練習をしてしまっている子達の場合、処理的に計算をして、意味を考えないから間違えるというようなことが起こったりします。
今日のレッスンで、とても分かりやすい例がありました。

小数÷整数の学習をしている子なのですが、うちに来る前に計算はかなり先取りで習っていて、スピードを要求されたこともあるのか、数量感覚は伴っておらず、ただ何となくこうするんだったはず…という感じで計算をしている印象を受けました。

そのため、初めからずっと、考えて、どうしてその答えになるの?元の数がこれなのに、そんな答えになる?(なるはずないよね?)というようなことを繰り返し言い続けているのですが、小数になると、どの位置に点を打つのかという問題が出てくるので、考えずに計算していると、間違える可能性がより高まります。

今日持ってきた宿題で、0.2÷4=0.5のように、小数点の位置を間違えて答えているものが結構あり、数量感覚がある子であれば、ちょっと考えたら、答えが元の数より大きくなっているからおかしいと気づける間違いでした。
考えればわかる子でも、家の宿題だと、他にしたいことがあって集中せず、適当にやっつけで終わらせる子もいるので、教室で考えたら正しく直せるのであれば、単に手抜きということでしょう。(それはそれで問題ですが。)

しかし、数量感覚のない子の場合、0.2と0.5の大きさがイメージできず、0.2を4つに分けたら…という発想も出ず、ただ単に4×5=20だし、小数だから5ではなく0.5というような感じで答えを出しているのではないかと思います。

これが筆算になっても、感覚がある子、きちんと考える子の場合は、答えのどこに小数点がつくか、あまりの場合はどこにつくかなど、こちらが何も言わなくても正しくつけてくれる子がほとんどですし、仮に間違ったとしても、割る数と商を指して、これで分けたらこんな数になる?というような感じで尋ねれば、ちょっと考えて、おかしいことに気づける子が多いです。

でも、感覚のないまま、「小数点はここに打ちます」と習っただけの子は、適当に点を打って、運が良ければ正解、悪ければ不正解ということになります。
実際今日の子も、余りの小数点の位置がずれており、どうしてそこに点がつくのか尋ねても答えられず。尋ねられて初めて式をじっと見つめ、しばらく考えて、正しい位置に点を打ってくれました。

計算方法を教えるだけでは、自分が何をしているのかわかっていないというようなことはよく起こります。
そのままどんどん先に進んでも、進めば進むほど役に立たなくなっていきます。

計算を先取りするのであれば、必ず、数量感覚が伴っているか、していることの意味を理解しているかを確かめながらにして頂きたいと、心から思います。

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