何があったのか
3年ほど前に兄弟で通ってくれるようになった子達がいます。
元々はお兄ちゃんが算数で行き詰ったことでご縁を頂いたのですが、そのときは弟くんは算数に関して全く問題なし。宿題もきちんとしてくるし、レッスンでもよく考えて問題に取り組んでくれる一方、苦手なのはわかっているものの、やれば絶対できるはずの宿題すらもろくにやらずに来るお兄ちゃん。
悩んだ末、本人とも相談して、お兄ちゃんは宿題をしてこなかったら、居残りして宿題をするという方向に。
その後、だんだん算数に対して苦手意識が薄れていくと共に、お兄ちゃんは言わなくても進んで宿題をしてきてくれるようになった一方、弟くんは算数が苦手になったわけではないのに、宿題を全くしなくなりました。
どれだけ言っても、おうちで声掛けをしてもらっても、ほぼ変化なしの状態が結構長く続きました。当然その間、進睦ペースは激落ち。学校にも追い付かれ、追い抜かれる危険まで出てきました。
なんだかんだ1年近くそんな時期があった気がしますが、ある時期以降ほんの少しだけ改善がみられるようになり、レッスンでも時々は以前のように楽しそうに取り組んでくれることも。
しかし、完全復調はせぬまま、お兄ちゃんは中学進学に伴いお別れ。弟くんがひとりでレッスンに来ることになりました。これまでの様子からしても不安しかなく、宿題の件を強く言うと、辞めると言い出すかもしれないと思ったりもしていました。
それでも、やることをやってもらわないと、来てもらっている意味がなくなってしまいますので、新学期を機に本人に尋ねてみました。
「お兄ちゃんは宿題をしてこなかったら、その分レッスンを延ばしていたのは知ってると思うけど、〇〇くんにはこれまでは言わずに来てた。けど、お兄ちゃんだけってのは不公平やと思うから、そろそろどうするか決めようと思うんやけど。やってこなかったら、宿題を先に終わらせてから、そこからレッスンの時間にするってことでいい?」
すると、全く抵抗することなく頷いたので、次のレッスンがどうなるか気になっていました。
その結果、何年ぶりかにほぼ完ぺきに仕上げられた宿題を見ることができました。
もちろん、早くからそう言っていたらやってきてくれていたかと言えば、決してそんなことはないと思います。おうちの方もかなり声掛けしてくださったようですし、ある時期はここでの宿題に限らず、あらゆることに対してやる気がないようだという話も聞いていましたので。
それもあって、こちらもあまり追い詰めることはせず様子を見ていたのですが、なんというか、本人の表情を見ていても、何か憑き物が落ちたとか、流行り病にかかっていたのが治ったとか、そういう、何か一過性のものをようやくやり過ごしたのではないかという印象を受けました。
お兄ちゃんも全くやってくれない時期からじわじわ変化し、最後は楽しそうに、積極的に取り組んでくれるまでになりましたから、兄弟揃って何か成長段階でそういうやる気が出ない時期というのがあったのでしょうか。
いずれにせよ、新年度いい表情でレッスンに取り組んでくれるその子を見られて、とても嬉しく思います。
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