伝わるまで何度でも
前回のレッスンで2桁同士の掛け算の2段目を書く位置がずれていなくて(一の位で揃えて書いていて)、あり得ない答えを平気で書いた1年生さん。その子はうちに来てくれる以前にそろばんや反復計算の教室などで四則計算は全て習っていて、計算の仕方は知っているものの、数の感覚は伴っていないと、これまで何度も感じています。
先取りでかなり先まで進んでいることはすごいことだと思いますし、それができるということは、それなりに恵まれた能力を持っているということなのだと思うのですが、だからこそ、桁が違うあり得ない答えを書いてもぴんと来ないのであれば、それは自分に役に立つ力にはなっていないよという話をこれまで何度もしています。
自分が何をしているかわからないのに先取りをする価値はほぼないと思っていますので、そのことは何度も何度も言うしかないと思っていますが、今回のレッスンでも概算と正確な計算の答えが、概算で500、正確な答えは46になりました。もちろん、概算が間違っていて(4000÷80=500と書いていて、普段0のつけ間違いも結構よくあるので)、本人が気づくのを待とうと様子を見ていました。
すると、そのまま次に進もうとしたので、概算で500を正確に計算したら46って、そんなことある?80人で分けたら500ずつなのに、77人で分けたら46ずつになる?と尋ねても、やはりピンとこないようでした。
そして、待っていると、筆算をして46と計算が残っている答えを、おもむろに460に書き直したのです。
流石にびっくりしてしまいましたが、その筆算のどこが間違えているのか教えて?と言ってもだんまり。
何がショックだったかといえば、自分できちんと分からないのであれば、それは役に立たないし、学年よりずっと先に進んだことをしているのだから、よくわからないまま進める必要はないという話をもうこれまで何度も何度も伝え続けているというのに、500がおかしいということにも気づかないばかりか、500に近づけるために全く説明のつかない答えに変えてしまうという行動です。
まだ伝わっていないんだなと悲しくなりましたが、恐らく私がご縁を頂くずっと前のかなり幼い頃から、分からないのに繰り返し繰り返し練習して覚えるということを繰り返してきていたのだろうと思いますので、低学年でも思ったより時間がかかるのかもしれません。
その子はただ一所懸命がんばってきたのであって、悪いわけではないだけに、本当に気の毒になってしまいます…。
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