ジレンマ
まだ低学年なのに、うちに来てくれた時点で習って覚える勉強が身についてしまっている子の多くは、ご家庭で先取り学習などを熱心にされているか、幼児期からお勉強の教室や塾などに行っておられることが多く、それにプラスしてうちに来てくれた場合、ほかのところで先取りで教えられてしまうぐらいなら、こちらで少しでも先にと思ってしまい、じっくり考えてほしくても、無制限に待つということがなかなかできません。
本当に変わってもらうためには、一旦解法などを教えられるタイプの先取り学習をストップしてもらって、たった1問の問題でも、その子自身が考えて解けるまで無制限で待つということを繰り返すのが結果的に近道なのだと思うのですが、それはまたそれぞれのご家庭のお考えがおありで、一旦ほかを辞めてくださいとは言えなかったりもして、様子見しながらのレッスンになってしまうことがあります。
子どもにしたら、他の多くでは、教えられたことを真似て素早く処理できたら評価されることが多いわけですから、ここで真逆のようなことを言われても、すぐすぐ切り替えられるものではないでしょう。
ですが、習ったものはその場では分かった気になっても、定着しづらい上に、結局深いところまで考えることがありませんから、実はちっともわかっていないというようなことも多々あるのです。
今では自信をもってそういえる私も(教員志望で教育学部出身、教員免許も取った身であっても)自分で教室を始めるまで知らなかったこと、気づかなかったことですから、世の大人の多くが気づいていないのだろうと思います。
子どもの学習に関わる大人が、それを知っているかどうかは、子どもの将来を左右するかもしれないぐらいのことだと思うだけに、色々ジレンマを感じます。
| 固定リンク
コメント