語彙を増やす
中学受験をする予定のご家庭などでは、小さい頃から意識的に語彙を増やすために問題集などに取り組まれたり、語彙集などを積極的に読ませたりしているということもあるかもしれませんが、子ども達とレッスンをしていると、算数が好きな子、得意な子の中に、あまり言葉を知らないようだと感じる子がちらほらいます。
算数好きな子は国語があまり好きでないことも多く、また読書もあまり興味がないというようなこともあったりしますが、本をよく読むから語彙が豊かかといえば、そうとも言えません。
子どもがどんな本を読んでいるかにもよりますが、スラスラ読める子ども向けの本ばかりをたくさん読んでも、知っている言葉の世界が広がっていく可能性は低いでしょう。
今日のレッスンで、算数の問題の中に「道路が碁盤の目のように」という表現が出てきて、そこには方眼状の図に家や学校などの位置が点で示されているものがありました。仮に「碁盤の目」の意味が分からなかったとしても、図を見てなんとなく理解する子もいるかもしれませんが、それができない子の場合、碁盤が分からなければ、その問題を解くことができないかもしれません。(ある中学校の入試問題だったようです。)
別の日のレッスンでは、書き換えのためのカタカナ表記の「カタコト」を知らない子が「がたんごとん」というような擬音に近いイントネーションでそれを読んでいて、片言 という言葉を知らなければ、そもそも漢字に書き換えることもできないんだなと感じました。
受検のためというわけでなく、人間は言葉でモノを考えるとも言われていますし、そうであれば、自分の知っている言葉の範囲でしか物事を考えたり、判断したりできないということにもなります。言い換えると、たくさんの言葉を知っているほど、時には広く、時には深く物事を考えられるということになるでしょうし、それは生きる上で大事なことだともいえるでしょう。
そういう意味でも、小さい頃から少し難しめの言葉に触れ、意味を知る機会をたくさん作ってあげることは、子ども達にとってとても大切なことなのではないかと思います。
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