本当の力にするには
子ども達とレッスンをしていると時々、「お父さんが教えてくれた」とか「お母さんに教えてもらった」、ご家族などに勉強に関する何かを教えてもらったと嬉しそうに話す子がいます。
もちろん、内容によっては教えてもらって覚えることがその子のためになることもたくさんあるわけですが(例えば、言葉など、覚えるしかないことは人からか本やテレビなどから学ぶわけですから、そういうもので子どもが知らないものをおうちの方が教えるというのは大いに役立つと思いますので)、こと算数に関しては、ただ解き方を教えるというのは、子どもの力にならない場合がかなり多いように思います。
今日のあるレッスンで、小数は後ろの0は消すけど、途中の0は消さないということをお母さんに教えてもらったという子がいました。その子はまだ学校などでは全く小数を学んではおらず、ほぼ真っ白の状態でレッスンをさせてもらえたのですが、途中の0を消すかどうか、まず自分で考えてみましょうという問題の答えにそう書いて、お母さんが教えてくれたと嬉しそうに言いました。そこで、「どうして途中の0は消したらダメなの?」と尋ねてみたところ、きょとんとしたまま固まってしまいました。
子ども達に時々話すのですが、例えば、意味も知らない英語の単語を覚えて、それが書けたとしても、意味が分からなければ「覚えてすごい」と言ってもらえたとしても、役に立たないよね?覚えた単語の意味が分かっていなければ、どう使うかもわからないしねと。
しかし、なぜか算数に関しては解法だけを教えてしまわれることが少なからずあり、子どもは教えてもらったものをただ覚えるだけ。ですが、受け身で覚えたものは忘れやすく、極端な話をすれば、途中の0は消すけど、後ろの0は消さないんだったかな?と混乱する可能性だってあるわけです。
子どもに解き方などを教える場合には、せめて、なぜそれで解けるのか、小数の0を消す、消さないの話であれば、例えば1.5と1.05は数直線で違う場所だから、途中の0を消したら大きさが変ってしまうなど、理由がきちんと分かっている状態にしてあげてほしいと思います。
もちろん、学年が上がって、受験などのリミットがあり、とにかく覚えてやっつけるしかないというような状況であれば話は別ですが、小さいうちから先取り学習をされるのであれば、その学習効果が薄くなってしまわないよう、算数で解き方だけを教えるということは極力避けたほうが子どものためなのではないかと思います。
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