突き詰めて考える
小さい子達は、大抵の場合、大人が邪魔をしない限り、考えるということは当たり前のようにしてくれるのですが、問題を自分で考えて解くより先に、誰かから教わって解くことが当たり前になってしまった子などの場合、本当の意味で「考えて理解する」ということがなかなか伝わらないことがあります。
そういう子達も、全く何も考えていないわけではなく、その子なりに「考えて」はいるようですが、どうしてそう考えたのか、なぜそれが答えになるのかなど、「どうして」「なぜ」を尋ねると説明ができない、つまり、自分で納得していない状態ということがあるのです。
今日のレッスンでも、計算の工夫の問題を考えていた子が、101×101で悩んでいたので、まずは100×101の答えを考えてもらいました。それ自体もなんだか苦労していましたが10100と答えが出たので、100円のものが101個で10100円だったら、101円のものが101個でいくらになるか尋ねたところ、少し考えて100円増えると答えました。そこで、どうして100円増えるのか尋ねるとだんまり。この子に限ったことではありませんが、しっかり考えて自分で納得がいっているのでない場合、しばしば、そういう尋ね方をされると間違っているんだなと受け止めて、またも深く考えずに「101円?」というような尋ね方をしてくることがあります。
私にはその手は通用しないですし、子どもが正解を書いていても、表情を見て、しっかり理解できた感じがしなければ、どう考えたのか尋ねたりしますから、深く考えていない子は合っている答えを消したりもします。
因みに、自分で納得していないのに、100でないなら101かという流れでマルをもらっても、本人に達成感や満足感などはほぼありません。(自分で考えない状態がかなり深刻な子などは、分かっていようがいまいが、ただマルがもらえることに喜びを感じることもありますが。)そして、それでは算数の力、考える力はつきません。
算数の力を伸ばしたいのであれば、突き詰めて考えるということは何より大切なことかもしれませんね。
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