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2023年9月19日 (火)

教えるか気づかせるか

子ども達とレッスンをしていて、解き方や考え方を教えるのはほとんどの場合とても簡単ながら、教えられた方は記憶に残りにくいことも知っているので、できる限り子ども自身に気づいてもらうよう、子ども自身の考え方で解けるよう、手助けは最小限にとどめるようにしています。

今日のレッスンで、ある4年生さんが、カレンダーの8,9,10の3つの和は27ですが、別の並んだ3つの日付の和が87だったとすると、どの3つの数か求めなさいというような問題を解くのに、手は動いているので少し様子を見ていると、とりあえず3つの数を足してみて、87になるところを探すという方法で解いていました。
もちろん、それでも答えは出ますし、どうしていいか分からず固まってしまうよりは遥かにいいのですが、そういう問題はとりあえず見当をつけて計算してみるという方法で解くことを求めてはいないので、答えを出した後で、もっと別の方法はないか尋ねてみました。

その後お迎えに来られたおうちの方にその問題のことをお話すると、同じような問題をやったことがあり、そのときに考え方を教えたとおっしゃったのですが、少なくとも今日のその子はきれいさっぱり忘れている状態でした。
このような問題であれば、3で割った答えが真ん中の数になるのだと教えることは極めて簡単ですし、教えた後でどうしてそうなるか理由を説明することももちろん簡単です。
でも、それをして、どれだけ子どもの記憶に残るかといえば、正直言ってかなり期待薄だろうと思います。(もちろん繰り返し同じような問題をすれば定着はするかと思いますが。)

ですので、計算が簡単そうなところで、19,20,21の3つの和は60だし、14,15,16の3つの和は45、横ではなく縦の2,9,16の3つの和も27と、いくつか例を挙げてみましたが、まだ反応なし。8,9,10,11,12の5つの和は50とかも挙げてみましたが、まだダメ。その後あれこれ、ほぼ答えに近いようなことまで言って、どうやらようやく気付いたようですが、それでもただ教えられるよりはその子なりに、どういうことだろうと考えた分、多少は印象に残ったのではないかと思います。

もちろん、この問題の場合は、27に比べて87は60増えているから、それぞれ20増えたというような考え方も可能ですから、尚更解き方を一つだけ教えることはしたくありませんし、何も言わなくても気づく子もいるので、最初に教えることはもちろんしません。
自分で考えて気づく気持ちよさを、ひとりでも多くの子に、少しでも多く感じてほしいと思います。

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