子どもとのレッスンで
子ども達とレッスンをしていて感じるのは、自分が納得し、イメージできていなければ、必要なときに、適度なサポートをすることは難しいということです。
これは保護者の方にも隠してはいないのですが、私は残念ながら空間認知の「見える力」を持って生まれてはいない方の人間なので、複雑な空間図形の問題などになると、見たことがないものを思い浮かべるのは限界があります。
今のところ、それを解かねばならない状況になったことがないので大丈夫ですが、灘など難関校の図形問題などで実際に物を使ったりして確かめることができないような複雑なものだと、恐らく自力で解くことはできないものがあるだろうと思います。
思い浮かべられないものは実際に具体物で再現して見える状態にし、ああ、こういうことかと納得して初めて子ども達とのレッスンに臨むようにしているので、この先、自分で納得できない問題に出合い、それを指導しなければならなくなったら、正直に保護者の方にも子どもにも伝えるつもりにはしています。
ですので、基本的には自分で理解できる、イメージできる状態にしてレッスンには臨んでいるのですが、それでも、すんなり腑に落ちるレベルのものばかりではないので、悩んだ末、ああ、こういうことなのかなという程度にとどまったものに関しては、やはり全力で「任せとけ!」という向き合い方はできていないのかもしれません。
ただ、自分が塾に勤めていた頃などを振り返ると、自分が先生に教わったことなどをベースに、特に疑問を持つことなく説明して、教えていた時期があり、世の中にそういう指導者は数えきれないぐらいいるんだろうと思います。
公式の意味などを深く考えることなく暗記し、それに当てはめたら解けるという勉強をしてきた子が大人になったら、同じように公式を覚えて当てはめればいいという指導をするとしても驚きはしません。でも、それでは学びの楽しさを味わうことは難しいでしょうし、応用の利く力にもならないでしょう。
子どもと学習する際に指導者が大切にすべきことのひとつは、自分自身がなぜそれで解けるのか、その公式は覚えなければいけないのか、そういうことを意識し、理解しておくことなのではないかと思います。
| 固定リンク
コメント