ちょっと悲しくなる
今日はある中3さんとの最後のレッスンがありました。
進学先がもう決まったので、学校からももう課題を出されていて、今日はそれを見せてもらいつつ、少し一緒にしたのですが、内容は中学で習ったおさらいも含まれるものの、まだ全く習っていない数Ⅰの内容が多くを占めていて、その課題冊子の1ページ目に、まず指定されている教科書のページをしっかり読み(それはまあいいとして)、「公式を暗記して」と書かれていました。
これから新たに高校生活が始まり、高校で数学を学ぶというのに、春休みの課題に「公式を暗記」と書いてしまわれること、なんとも悲しい気持ちになりました。
もちろん、覚えられるものは覚えた方が便利ですから、覚えなくていいとまでは言いませんが、まだ習っていない内容を予習させる場合、公式が与えられていれば、恐らく大多数の子は、どうしてその公式で解けるのかを考えることなく、公式にあてはめて答えを出し、それでできたことにしてしまうだろうと思います。
更には、学校としては予習させた範囲については、公式を覚えていない場合、それは覚えなかった本人の努力が足りないという扱いになるのかもしれません。
ですが、公式を暗記するのは、覚えなくては解けないもの、もしくは、公式を導くにはあまりにも手間がかかるもの、後は、努力してもどうにも数学は苦手で、とにかく少しでも点が取れればというような場合でなければ、まずは自分で考えさせ、解かせてみて、後から必要であれば公式として示し、覚えるように促す流れであってほしいと思います。
意味も考えずに覚えた公式は、よほど記憶力が優れている子でなければ曖昧になりますし、その結果、正解不正解は運頼みになっていくということは全く珍しいことではありません。(私自身、高校1年の頃などは正にそれでしたし。)
小学校高学年からこれまで、まず考え、自分で納得して進むという学習をしてきた子なので、せめて最後のはなむけの言葉のつもりで、覚えなくても解けるものはたくさんあるから、高校でもまず考えてみることが大事だと伝えました。
彼女の高校生活が実り多いものになりますように。
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