あるレッスンでのこと
子ども達にとって、例えばまだ就学前の子であれば、5という数もぱっと把握するのが難しい段階があったり、1年生でも、10を超えた数になるとすんなりイメージできない段階があったり、色々な段階があるので、大きな数になってくると尚更、イメージはできなくなるのも不思議はありません。
大人であっても、1万を超えてくると、恐らくほとんどの人が、ものの数としてイメージしているわけではなく、お金などでイメージできているだけで、億や兆という数は知っていても、具体的にイメージできる人はまずいないでしょう。
経験や知識として、日本の人口は1億2千万ほどだとか、色々なスタジアムに入るのは数万人程度だとかを知っているだけであれば、子どもがまだ知らないのは無理もありません。
で、あるレッスンで3年生さんが甲子園球場には何桁ぐらいの人が入れるか考えてみようという問題に「9けた」と答えました。
9桁は億の位なので、「日本の人口が1億2千万ぐらいよ?」と言ったのですが、教科書に書いてあったと言います。
それはさすがに絶対違うよ。見間違いとかじゃないかなと言っても、すんなり納得してくれず、1週間の入場者だったかなといいます。入れる人数が4万人強だから、1週間でも30万程度だから違うのですが、それも絶対違うよ?と言うと、1年だったかなと食い下がります。(笑)
そもそも教科書に書いてあるのであれば、試合のない日にも365日毎日満員になった場合を想定するとも思えませんが、仮にそうだとしても1500万人程度。9桁になるには7~8年かかりますし、そもそも、甲子園で試合があるのは1年に100日もありませんから、何が何でも違うわけです。
それでもそこまで食い下がってくるのは、その子にとって、5桁も9桁もどちらも「大きな数」だからなのだろうと思います。
そして、日本の人口と言われても、日本全国に住んでいる人が甲子園の広さに集まれるかどうかということも、まだ結びつかないのだろうと。
こういうことがあると、教科学習、いわゆる「勉強」をがんばるだけでは身に着くことは限られていると改めて感じると共に、色々なことを経験すること、一見勉強には役に立たなそうなことも興味を向けることも大事なんだろうなと思います。
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