教えないから味わえる
ここでのレッスンはこちらから教えることは限りなく減らし、子ども自身が気づいてくれるように持っていくよう努めているのですが、それだけでなく、分かるか分からないかは別として、まず、何か気づくことがあるか、子どもに考えてもらうというようなこともあります。
今日のレッスンでは、小数同士のかけ算の学習を始めた4年生さんに、導入としては面積図を見ながら、どんな式、答えになりそうかを考えてもらった後、その答えが正解だということを確認して、式と答えを見て気づくことはないかという問いが用意してありました。
それに対して、実際はもう少し長く書いていましたが、「例えば、0.1×0.01=0.001のように、0を合わせた答えになる」というようなことを書きました。なんとなく意味は分かりましたが、念のため、言葉で説明してもらったところ、0.1は0が1個、0.01は0が2個なので答えは0が3つ並ぶというニュアンスのことを言ったので、「多分合ってると思うから、その下の問題もやってみてくれる?」と言って、0.3×0.07のような問題も解いてみてもらったところ、きちんと0.021(0を合わせるという言い方だと、0.0021と書く可能性もあったので)などのように答えていたので、その子の考えが正しいことが確認できました。
これをもし先にこちらが指導していたら、3×7の答えの1000分の1になるから(そういう言い方はしないとしても)後ろから3つ点が動くというような説明をすることになるだろうと思います。
もちろん、どうしてそうなるのかということは後で確認はするのですが、こちらが説明しなくても、どうすれば答えになるか本人が気づき、それで正しく答えが出せているのであれば、忘れて計算ができなくなるということはほぼないでしょう。
何より、「0を合わせる」という表現、発想は私にはなかったもので、なるほど!と思わせてもらえるのは、こちらが先に教えないからこそなんですよね。
子どもは教えなくては分からないという先入観を手放せば、大人も子どもももっと楽しく学べることが増えるかもしれません。
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