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2022年9月15日 (木)

いい表情

ある中学生さんは、なぜなのか(単にそういう性格なのかもしれませんが)あらゆることに自信がないという感じで、数学が苦手ということで来てくれたものの、その自信のなさのせいで、できるものまでできなくなっているのではないかと心配になることもあります。
それでも、このところ、なんかちょっといい感じなのでは?と思うことが増えてきて、そのたび、少しでも自信を持ってもらえたらと、「なんかいい感じやん!」「そう、その通り!」などと、その子が自力でできたときには積極的に声掛けをするようにしています。

苦手ながらも一所懸命考えようとしてくれているのは伝わってくるので、小さな「できた」を積み重ねて、少しずつでも苦手意識がなくなってくれたらと思うのですが、今週のレッスンでは問題に関係しているものの、まだ学習していない内容に関することがいくつか出てきたので、今後学習する際に「あのときの話はこれか!」と思ってもらえたらと、少しだけ話を広げてみたりしました。

二次方程式で物体を上に投げ上げる問題が出てきたとき、地上から75mの高さにあるのは3秒後と5秒後という答えが出たのですが、どうして答えが2つあるか分かる?と尋ねてみました。
すると、しばらく考えて、なんとなくうっすら分かったような…という反応だったので、次に学習することだけどと二次関数のグラフを見せ、その名前が「放物線(物を放る線)」だと言ったところ、突然ぱっと表情が変わりました。
そして、3秒後は投げ上げたときで、5秒後は落ちてきたときだと答えてくれました。その流れで、「じゃあ、一番高く上がったのは何秒のときかわかる?」と尋ねてみたところ、少し考えてから「4秒後?」と答えたので、簡単に上が凸の放物線を描いてから、「じゃあ、落ちてくるのは何秒後か分かる?」と尋ねると、グラフを見て「8秒後?」と。
全部答えられた後、二次方程式で解いてもらったことで、答えの意味がより理解できたようで、明るい表情をしていました。

更に、もう少し話が脱線し、三平方の定理の話をすることになったので、直角三角形の図をいくつか書いて、3つの辺にどんな関係が成り立つかを考えてもらいました。もちろんこれはヒントも結構出しましたが、最終的に、それぞれの辺を「平方(二乗)」してもらったところ、その数字を見て「あぁ!」と自然と声が出ました。
その子と三平方を学習するのはもうしばらく先になりますが、苦手な数学で教えられなくても気付いた気持ちよさは少し感じてもらえたかなと思います。

受験までリミットもあるので、教えて覚えてもらわざるを得ないところも出てくるかもしれませんが、少しでも苦手意識が和らぎ、楽しいと思ってもらえることが増えるといいなと思います。

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