モヤモヤする。
時々書いているかと思いますが、中3で数学だけが伸び悩んでいるということでご縁を頂いた子は、元々よその塾にがっつり行っている状態で、数学だけなんとか上向きにならないかということで来てくれた上、その塾の進度が相当速いこともあり、これまで習ったところで理解があやしいところ、わからないところを一緒にするというのがメインになっています。
塾ではもう円周角など一部を残しているだけでほとんどひと通り学習を終えたと聞いていたので、今日からは複合問題のようなものをやってもらうことにしたのですが、その中で、私とはまだ一緒にしたことはなく、学校でもまだ当分先までやらない三平方の定理を知らなければ解けない問題が混じっていました。
そこで、塾で習ったかどうかを確認すると、夏休み中に習ったとのこと。では、どういうものだったか覚えているかを尋ねると、極めてぼんやりした答えしか返ってこなかったので、塾では夏休みにはちらっとやっただけで、また改めてやり直すのか尋ねたところ、何回か授業はあったので戻らないと思うとのこと。
それにも関わらず、定番の公式すら出てきませんでした。そこで、直角三角形を書いて、3辺が短いほうからa,b,cだった場合、どんなことがいえるか尋ねたところ、迷いながら、aとbを足したらcになると言いました。
aとbを足したものがcと同じ長さになるのであれば、三角形にすらなりません。それをつっこむと、「ああ、ほんまや~」と。そこで、3cm、4㎝、5cmのものならどんなルールがありそうか尋ねたところ、数字と、習ったときに何かたし算だったというぼんやりとした記憶で、3+5を2で割ったら4になると、もう完全にこじつけのことを言います。
そこで、他にも1、1、√2のものと、1、2、√3のものも書いて、全てにいえる、関係を表す式を考えてもらいました。
なかなか出てこないので、平方根があるのなら、そのまま足しても引いても整数にはならないよね?とヒントを出し、ようやく全てを二乗してみるというところに辿り着き、公式を導き出すことができました。
でも、そこまでしないと全く思い出せなかったわけですから、夏休みに塾で受けた授業はなんだったんだ?と思わずにはいられません。
もちろん、勉強が苦手な子などなら分からなくもないのですが、その子は公立上位校を目指していて、他教科はほぼ全て結構点数を取れる能力がある子なので、習ったことを覚えるというのはそれなりにできるはずなのです。にもかかわらず、全く覚えていなかったことに驚きました。
それほどに、一方的に教えられただけのことは記憶に残りにくいということなのだと思います。
その子は少なくとも数学に関してのみは、塾での勉強があまり役に立っているとは思えないのですが、その塾では数学だけ受けないという選択肢がないのが本当に悩ましいところです…。
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