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2022年7月21日 (木)

色々な考え方

子ども達とレッスンをするときは、見ただけで確実に分かる自信があるような問題以外は、まず自分でも解いてみるようにしています。
すると、事前に解いた後で、あれ?こう考えた方がもっと簡単かも?と気づくことがあります。
多くの場合、その考え方は解答解説には書かれておらず、気づいた子は書かれている手順より簡単に解くことができるというようなことだったりします。

私は子どもの頃には、習ったことを真面目に覚えて、それに沿って解く勉強しかする機会がなかったので、子どもの頃にもっと色々考えて、試行錯誤する機会があったら、もしかしたらもっともっと可能性が広がっていたかもしれないなと思うことがあります。

今日、ある子が取り組んでいた思考力系の問題で、縦、横、高さ全て3個ずつ、27個の積み木で作られた立方体の表面に色を塗るという問題で、上、下の面と周りとにはそれぞれ違う色を塗るという条件で始まっていて、なかなか面倒そうだなと思ったところ、問題自体は色が塗られていない面が3面、4面、5面、6面のものの個数をそれぞれ問われており、色を分けたのは何だったの?と思いつつ読み進むと、その後一旦作った立方体を崩し、まだ色が塗られていない面が表面に出るようにして、再度別の色を塗ると、色が塗られていない面は全部で何面になるかという問題が続いていました。

空間認知が得意ではない私は、2つ目の問題文を読んですぐは、え??色が塗られていない面を表に出すということは、どれをどこに使えばいいんだ??と、めちゃくちゃ難しいのでは、こんなの3~4年生ぐらいが普通に解けるもの??と思ってしまいましたが、ふと、あれ?色が塗られていない面を表に出すという条件なんだったら、どれをどこに使うとか、どうでもいいのか?と気づき、だとすると、1問目の答えすら別にいらないのでは?と、試しに自分が気づいた解き方で解いてみました。

その結果、あっさり正解。というのは、元々積み木を27個使っているので、バラバラにしたときの面の数は6×27面。そのうち、1回目の作業で色が塗られるのは、表面に出る9×6面。崩した後、まだ色が塗られていない面を表に出すのだから、そのときに塗られる面も9×6面。
とすると、塗られずに残る面は6×27-9×6×2で54面。
この考え方であれば、空間認知が苦手な子でも、十分解けるはずです。

1つの問題に対して、何か工夫できないかな、何か簡単に解く方法はないかなという発想は、初めから解き方を習ってしまう勉強からはなかなか生まれてきません。小さいうちから、ああかな、こうかなと試行錯誤をし、時には大人から、こんな考え方もあるよと、その子が気づいていないことを教えてもらったりしながら、思考の幅を広げていくことがとても大切なのではないかと思います。

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