匙加減
遠い昔の記憶なので、どの程度確かかは分かりませんが、自分がまだ低学年だった頃、先生の説明が退屈で、勝手に教科書を読んで問題を解いているようなことがありました。
もちろん、先生の説明が下手だとかいうことではなく、言おうとしていることが分かった後でも説明が続くと、もう聞かなくてもできるからと思っていた気がします。
それを思うと、30人、40人の子を相手に一斉指導をするのは、本当に大変なことだろうと思います。どの子にもちょうどいいペース、ちょうどいい分かりやすさなどというものはないわけですから。
理解が速い子に合わせると、理解できない子達がたくさん出てしまうかもしれないので、どうしても平均的な子や理解に時間がかかる子にペースを合わせざるを得なくなるでしょうし、かといって、遅い子のペースにしてしまうと、退屈してしまう子がたくさん出てしまう。なかなかのジレンマだろうなと。
そこで、グループを作って、学び合いというようなことを試みても、それはそれでしばしば、既に塾などで習ってしまっている子達がそうでない子達に一方的に教えるような形にもなりがちで、その上、子どもの教え方だと、理解に時間がかかる子は結局理解できなかったりもするかもしれません。
そういう状況は私にはきっとストレスになるだろうと思い、完全個別指導という形を取っているわけですが、何よりいいところは、この子はこの程度の説明で分かるのではないかと思えば、10のうち2ぐらい言ってみて、分かっていればそれ以上は言わない。また、10のうち10を言っても伝わらないような場合は、更に12、15と、分かってくれるまであれこれ考えて伝えることもできます。
あくまでの一人ひとりの子の表情を見て、この辺りがちょうどいい加減かなというところを探ることができ、子どもにしても、分かっていることをダラダラ聞かされることもなく、かといって、分からないのに適当に切り上げて次に進んで行かれるということもなくすことができます。
経営という面で見ると極めて非効率なのは分かりますが、私の精神衛生上はこれが最良かなと思っています。
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