生まれ変わった?
算数や数学が苦手になってしまってから来てくれた子達は、学年が上がっていればいるほど、そこから抜け出すのに時間がかかりがちです。
元々、教科などの好き嫌いは理屈ではないところもあるので、苦手なものに対する苦痛を和らげることができるかもしれないものの、外からの働きかけで好きにさせることはほぼ出来ないだろうとも思っています。
そういう意味で、何年もかけて苦手意識を募らせてしまった子の場合、本人ができるようになりたい、苦手意識をなくしたいという気持ちがなければ、ここでのレッスンは辛いまま、変化を見られずにお別れすることになることも十分あり得ます。
これまで何度も書いている高学年さんは、来てくれたときは算数に対して自信なげ、問題を見ているときの目にも全く力がこもっておらず、不安そうだったり、つまらなそうだったり、とりあえず適当にやり過ごそうとしたりという状態がしばらく続きました。
本人がやる気になってくれないことには変化が現れることはないので、変化が見えるのが先か、嫌だと言って辞められるのが先か…と内心不安に思っていた時期もありました。
それがいつからか随分表情が明るくなり、少しずつ前向きになってきたように感じ始め、今もまだ得意とまではいかないものの、少なくとも、問題に向き合っているときは常に楽しそうで、今日のレッスンでは、この子には少しむずかしいかな、ここまでは学校ではしないから、無理そうなら保留にしようかなと思った問題を「それ、やりたかったのに」と思ってもみない反応を見せてくれて、喜んでプリントを差し出しました。
分からずに悩んでいるときでも笑顔だったり、どこか楽しそうで、1年近く前に来てくれた子はもうどこにもいなくなりました。
人の細胞は4週間ぐらいで生まれ変わるとか言いますが、少なくとも算数に対して、その子は完全に生まれ変わったようです。
| 固定リンク
コメント