きちんとしゃべらせることの大切さ
自分が子どもだった頃、うちの母は言葉遣いに厳しく、何かを取ってほしいときに、取ってほしいものの単語だけいうと、それをどうするのか聞き返されたり、副詞の係り受けなどが間違っていたら直されたりというようなことがしばしばあり、友達と電話でくだけた言葉でしゃべっていると、それを後で叱られたりするようなことさえありました。
正直言って子どもの頃は、いちいち面倒だなと思っていましたが、大人になって思えば、あれをすること自体、母も少なからず面倒だっただろうと思いますし、ああしてくれたからこそ身に着いたこと、意識したこともあったように思います。
教室の子達の中にも、例えば、話し言葉としては許容されているものの、国語で使うには正しくない表現などを、それが間違っていると知らないままの子がいたり、国語の解答にも関わらず、助詞などが抜けたまま答えても平気だったりというような子が時々いて、それを指摘すると「へぇ~、知らなかった」というような反応が返ってくることがあります。
私が子ども達と向き合えるのは週1回1時間ほどのことで、そこで伝えられることは極めて限られていますし、一度言われてすぐ身につくことは少ないですから、やはりご家庭での日々の会話などを通して意識づけして頂くことはとても大切なのだと思います。
せっかくお子さんが楽しくしゃべっているのにいちいち指摘するのは…と思われるかもしれませんし、おうちの方もお忙しいと思いますから、指摘するより答えてしまう方が早いというようなこともあるかと思います。ですから、常にということでなくても、それは間違っていると気づいたときには「本当はこういうのよ」と教えてあげたり、分かっていても「それをどうするの?」と聞き返したりしてあげてほしいと思います。
そういう積み重ねが国語の力にもなっていくのだと思います。
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