見せることも大切
子ども達とのレッスンで、数などに関しては教具などを使って、見て、触って、確かめながら考えてもらうことも多いのですが、今日のレッスンで、そうか、これも大事なんだなと感じたことと、子どもの反応に感心したことがありました。
思考力系の問題の場合、あれこれ考えてもらうこと自体が大切だと考えているので、ものを使ってすぐに答えを出してしまうのではなく、絵などを書いてもいいので、がんばって考えてほしいと思っています。
ですが、問題によって、もしくは個々の能力、興味の差などによっては、実際にものを使って確かめなければ、答えを出すことが難しい場合もあります。
ある低学年さんは、算数のセンスがかなりよく、思考力系の問題は進んで解いてくれるタイプなのですが、ある問題だけ、なかなか正解に辿り着かず、何度も保留にしていて、とうとうその問題のほかはまとめのところしか残っていない状態になっていました。
その問題というのが、時計の長針と短針が1日(24時間)の間に何度重なるかというものだったのですが、前段階で午前10時から午前11時の間には1回、午前11時から午後2時10分の間には2回というのを解いた後の3問目なので、この子なら考えられるのでは?という思いもあって、何度も保留にしてきていました。
ですが、そろそろ次に進んだ方がいいかな、この問題は今ひとつやる気が出ないみたいだしなと、今日は時計の教具を使って、12時間のうちには何回重なるか確かめていいことにしました。
すると、12時間に11回と分かり、1日なら22回と答えられたので、「なんで24回じゃなくて22回なんやろ?」と尋ねてみたところ、「あれ?どっか(1時間のうちに)重ならないところがあるのかな?」と言ったかと思えば、1時はこの辺、2時はこの辺…と順にぶつぶつ言っていたその子が、「10時のときにはもうこんなに来てる…。(長い針が重なるのが11時に近いところまで来ているという意味だと思われます。)」と言った後、「あ、11時には(重なるときが)ないんか~」と納得した様子。
どうして22回なのか尋ねただけで、時計をまた回し始め、理由を考え始めた姿も、1時間のうち針が重なる位置がだんだん後ろにずれていくというその視点にも、やはり算数がよくできる子はちょっと違うなと感心しました。
この子に関して、時計を見せて確かめてもらったものの、単に重なる回数を数えておしまいにはならず、もっと深い学びをしてくれたことを思えば、実際に見せて確かめてもらったことには大きな価値があったのではないかと思いました。
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