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2021年9月 9日 (木)

ある告白

年長さんの途中から来てくれるようになったにも関わらず、長らく算数に対してかなり抵抗感があり、教具などを使っても、特に引き算になると苦戦が続き、あまり無理強いすると算数自体が嫌いになってしまうのではと、宿題の大半が手つかずでも、色々なところを目をつぶり、様子を見ながら、ゆっくりじっくり進んできた子がいます。

それが、ここ何か月か、明らかに様子が変わり、数に対する抵抗があまり感じられなくなったと同時に、スラスラとはいかないものの、なんだか楽しそうにさえ見えるようになり、何か変化があったようだというのは感じていました。
とにかく、嫌そうな顔、辛そうな顔をすることがなくなったことが、私にとって何より喜ばしいことで、一気に多くを望むことはしないでいようと思ったのですが、今週のレッスンでも、苦手としていた時期に学校で暗唱をした九九が、あちこち曖昧で「七四、二十四」とかほかにもいくつか、かなり高確率でなんだったかなとなるものがあるようなのですが、「しちし…」と言って考え込んだので「七三?」と尋ねたところ、その質問だけで「21,あ!28や!」と、次の質問をしなくても、七四は七三より7増えるということをきちんと分かっていたことに、ちょっと感動しました。

そして、お迎えに来られたおうちの方から、「最近本人が(算数)楽しいって言ってます」という嬉しい報告を頂いたので、昔話というか、本当に辛そうでしたもんねという話をしたところ、今だから言えますけどと、かつて、あまりに辛そうだったので、他の塾を探して行ってみたことがあったのだという告白をされました。
まあ、確かにあれだけ辛そうだったら、試しにほかも…と思われても不思議はないなと思いましたが、そんなことがあったとは知りませんでしたし、それより何より、じゃあなぜそのままここに??と思いかけたところに、その子が、私のことが「懐かしい」と言い出したので、ここで続けてくれることになったのだと教えてくださいました。

よその先生と比べて何を懐かしがってくれたのかは分かりませんが、そのお蔭で、その子が楽しそうに算数に取り組む姿を見ることができて、本当に幸せです。

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