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2021年9月 2日 (木)

見えた瞬間

今日のレッスンでは何度か、ああ、今ちゃんと頭の中にイメージが見えたんだなと感じられる瞬間がありました。
どの子も算数、数学で苦戦して、うちに来てくれるようになった子達で、まだ一緒にレッスンするようになって数ヶ月の段階。これまで取りこぼしてきたものがかなり多いようで、すぐすぐ苦手意識を払拭するには至らないのですが、子ども自身が本当の意味で頭に浮かばないことを、解き方だけ教えてしまっても、結局は程なく忘れてしまい、いつまで経っても苦手意識を持ったままになるだろうと思うので、できる限りじっくりじっくり、子どもの反応を見ながら進めていくようにしています。

ある子は仮分数を整数や帯分数に直すのが、図がなければ、想定外の答えを書いてしまうような状態で、これはどうやらまだ全く意味がわかっていないようだなと、まずは数直線を描いて、分数の目盛りもつけ、問題の仮分数がその数直線のどこに当たるのかを確認しながら1問を終え、次に自分で同じように数直線を描いてもらって何問か解いてもらい、「そろそろ描かなくてもいけるんじゃない?」と声をかけ、まだ躊躇っていたので、次の問題だった18/6(6分の18)について、「1は1/6がいくつ並んでるの?」と尋ね、「6個」という答えを待って、手ぶりもつけながら、「1だったら6個よね?じゃあ、2にするには、ここにあと何個並べるの?」「あと6個」「じゃあ、2は6分の何?」「6分の12」…そんなやり取りをしながら、18/6が数直線の3にあたることを、数直線を描かずにイメージしてもらった後は、ふっと集中した表情に変わり、もう描かなくても直せるようになりました。

別の子は、-2から8までがどれだけ離れているか尋ねたところ、眠かったせいもあるのかもしれませんが、苦手な子がやりがちな「6」と答えました。そこで、「温度計で―2度が8度になったら、気温が6度上がったの?」と尋ねたもののまだぴんと来ない様子。2から5はどれだけ離れているか尋ねると、それは3と答えたので、計算で出せるよね?と言ったのに、やはり8から2を引いてしまいます。
ここで、-2を引くのだと教えるのは簡単ですが、その子はイメージができていないわけですから、なんとか「ああ!」と思ってもらいたいと、やむを得ず、数直線を描いて0を境にマイナス側に2、プラス側に8離れているのが分かるようにした瞬間、ようやくぱぁっと顔が明るくなりました。つまり、それを見るまで、どれだけ言っても、その子の頭にはただの-2と8という数字しか浮かんでいなかったのでしょう。目に見える状態になって初めて、確かに10離れていると理解できたようでした。

大人の側からしたらあまりにも簡単なことで、そんなの誰でもわかるでしょ?と思ってしまいがちなことでも、それが思い浮んでいないこともあるので、私自身も気を付けなくてはと思っています。

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