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2021年8月 5日 (木)

意地悪かもしれないけど

小さい頃から一緒にレッスンをさせてもらっている子達はほぼ大丈夫ですが、学校に通って何年か経ってから来てくれた子達の中には、深く考えずに出てきた数を適当に計算してみる癖がついている子がいます。
その数年の間に算数が苦手になっているとか、初期から苦手だったとかいう場合は、その状態がかなり悪化していることも珍しくありません。

そういう子達には、まずとにかく、自分の頭で考えて分かるというのがどういうことなのかを感じてもらう必要があるので、合っている答えでも、どう考えたのか尋ねてみたり、敢えて「〇〇じゃないの?」と間違いそうな答えを投げかけてみたりすることもあります。

すると、大人(先生)がそうやって聞いてくるなら間違っているんだなという感じで、すぐに答えを消す子の多いこと…。
消してまたよく考えずに違う答えを書くような子には、「え?さっきのは違ってたの?」などと尋ね、どう考えてその答えになったのか、更に尋ねたりもします。

今日のレッスンでも、算数が苦手になってしまって来てくれた高学年さんが、「52個のあめを7個ずつ袋に入れて売る場合、何袋売ることができるか」という問題も、「1枚の画用紙から8枚のカードが作れる場合、カードを60枚作るのに必要な画用紙は何枚か」という問題も、4人掛けの椅子に子どもを座らせていく問題も、全て割り算をした後、余りを切り捨てて答えを書きました。
1問目は合っているものの、あとの2問は間違っています。
こういう場合、1問ずつ尋ねると、よく考えていない子は、よく考えないまま余りを加えた答えに書き換えます。
実際その子も、7個ずつ飴を入れて7袋売れると答えていたのに、8袋に答えを変えてしまいました。
あとの2問は同じように直せば正解にはなりますが、結果として、3問ともその子はきちんと考え、理解して出した答えでないのは確かです。

そこで、どうして7袋じゃなくて8袋売ることができるのか尋ね、それでも多分その子の頭には飴と袋が浮かんでいないようで、では仕方ない、面倒だろうけど…と前置きをしてから、丸を52個描いてもらい、7個ずつ「袋に入れて」もらいました。
その結果、答えは7袋だと言ったので、「なんで8袋じゃダメなの?」と尋ねると、そこでようやく最後は3個しかないからということが答えられました。

回りくどい作業ですが、本人に意味がわからないのであれば、答えがマルになってもその子にとって何の価値もありません。(学校などではマルがもらえること自体が価値なのかもしれませんが…。)まどろっこしいやりとりを重ねながら、その子が分かることの快感、すっきり感を感じてくれることを願っています。

 

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