公式の丸暗記
算数が苦手ということで来てくれるようになった子達の中には、学校で習った算数の公式をただ丸暗記し、その記憶すらかなり曖昧ということが少なからずあります。
苦手だ、嫌いだと感じるものはなかなか覚えられないものですから、それもやむを得ないのだとは思うのですが、ここ1年足らずの間にご縁をもらった中学生さん達で、小学校の頃から算数が苦手だったとか、努力はしているのに結果につながらないとかいう悩みを持っている子達は、色々な公式がかなりあやふやです。
今回のレッスンで、平面図形の復習をしていたときに、扇形の面積や周の長さが出せない様子のその子に、小学校で習った円周と面積の公式を覚えているか尋ねたところ、少し悩みながら、面積が直径×円周率で、円周が半径×半径×円周率だと答えました。
これに関しては、その2つの公式を覚えられているのなら、小学校のときに少しでも公式の意味を考えていれば、間違えることはなかったのではないかと思いますが、学校ではきっとそこまで説明されなかったか、興味が持てず、記憶に残らなかったかなのでしょう。
その2つの公式が曖昧な子達には必ず、長さの単位は㎝やmなどで、面積の単位は㎠や㎡などだけど、面積や体積の小さな「2」や「3」は何を表しているか知っている?という話をします。
答えられなければ、面積を求めるには長さを2回掛けるし、体積なら3回掛けるから、そういう単位になっているのだと話をし、先ほどの公式は直径は長さ、円周率は単位がないので、計算した答えは長さにしかならないし、半径×半径は長さ×長さをしているので、面積になるのだと伝えます。
この話をしても、興味がなければ忘れてしまうでしょうけれど、ただ丸暗記をしただけよりは、「へぇ、そうか」と思ってもらえるかもしれませんし、そう思ってもらえれば、多少は記憶に残りやすくなるでしょう。
昔は私自身、習ったことを丸暗記して当てはめるということをかなりしていたので、子ども達にえらそうなことは言えませんが、あの頃にこれは覚えなくてもいいよとか、これはこういう意味だよとか、そんな風に指導してくださる先生に出会えていたら、もっと算数、数学が得意だったかもしれないなと思ったりもするので、誰かのそういう存在になれたら嬉しいなと思います。
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