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2021年7月14日 (水)

不思議な感覚

1年生の頃から一緒にレッスンさせてもらっているものの、おうちの方のお話だと、算数だけでなく、学習に関しては全般に苦戦しているという子がいるのですが、確かに、その子なりに一所懸命取り組んでいると思うものの、定着し辛かったり、伝えたいことがなかなか伝わらなかったりすることもあり、がんばっているのになかなか結果に繋がらないことを気の毒に思ったりもしています。

その子と比の学習をしていたときのことでした。等しい比を考える問題で、例えば「2:3=4:□」のような、単純に整数倍になっているようなものは特に説明しなくても解けたのですが、分数混じりだったり、小数倍されていたりするようなものは、多少助けが必要でした。
そんな中、「4.5:13=9:□」というものがありました。見ていると、4.5を45/10と分数に直し始めたので、少し様子を見ていたものの、次の動きが出ないようだったので、「ちょっと聞いていい?」と言ってから、4.5と9の両方を指して、「これ、4.5がどうなったか分かる?」と尋ねました。
恐らく、答えられる子はほぼ例外なく「2倍になっている」とか「×2をしている」などと答えるでしょうし、そうでなければ答えられないのではと思うのですが、その子は少し考えた後、これまで教室をしていて、恐らく初めての発想だったのではと思う、予想外の答えが返ってきました。

「0.5で割ってる。」

え?その発想、ある意味めちゃくちゃすごくない??2倍より先にそれ思いつく子、そうそういないんじゃない??
完全に想定外だったので驚いたものの、「すごいね!いや、確かにそうやわ。0.5で割ったら解けるし、自分で思いついたんだから、それで解いてみて」と言って、まず答えを出してもらった後で、実は2倍になっているので、その方が簡単かもしれないけどねと付け足しました。

その子は、学校のテストなどでは思うように結果が出ないようなのですが、一緒にレッスンをしていると、図形の問題など、計算があまり関係しないようなところに関してはセンスを感じることもあったり、少なくとも数量感覚がないわけではない気がする子なので、0.5で割ると言ったその子の頭には、もしかすると4.5の数直線を0.5ずつ区切っていくと9回分になるというイメージが浮かんだのかもしれません。(そもそも、その子自身、小数のかけ算やわり算自体、決して得意ではないので、尚更その発想が出たことに驚いたのですが。)

子ども達は本当にひとりひとりみんな違うなぁ、本当に驚かされるなぁと思います。

 

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