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2021年6月 3日 (木)

道のりは長そうだけど

先日から一緒にレッスンさせてもらっている中学生さんは、真面目そうな子なのですが、少なくとも算数、数学に関しては、かなり早い段階から理解が曖昧なところがあちこちにあるまま、年を重ねてきたようです。
塾にも行っていたとのことなので、その塾は一体何をしていたんだ??という気にもなりますが、大半の塾は解き方を教えて、それを覚えて使えるようになりなさいというような授業なのだと思いますから、興味がないことはすぐに忘れてしまうのも無理はないでしょう。

受験生になったらさすがにじっくりおさらいはしていられないので、今しかないと思い、小学校の内容からおさらいしていますが、覚えておかなくてはならないことも、ただ覚えようとしたんだろうなという感じで、今日は16と20にとって80は何かを尋ねたところ(その昔、教わったことを覚えて解くという勉強しか知らなかった私も迷っていた記憶はありますが)、迷った末、どうにか出てきた答えは「最大公倍数」でした。

その子だけの話ではなく、覚える言葉として説明されてしまうと、どっちが最大でどっちが最小だったかを迷う子はそう珍しくはないのです。(信じられないかもしれませんが。)倍数、公倍数、約数、公約数という言葉の意味は覚えておかねばなりませんが、「最小」公約数は全て「1」になってしまいますし、「最大」公倍数は、数は無限に大きくできるなら、答えようがありません。
ほんの少し考えさえすれば迷いようのないことを、遠い昔、子どもだった私はちょっと迷っていた時期があった記憶がありますし、塾講師時代には結構間違える子もいましたので、考える前に教えられることの弊害は相当なものがあるなと感じます。

真面目さゆえに、どうやって解くんだったかを思い出そうとするその子には、どんな方法でもいいからまず解いてみてもらい、その後も、こんな解き方も、こんな解き方もあるよと、色々な解き方、考え方を提示するようにしています。
解き方がひとつしかなければ忘れたら解けないと思い込んでしまう子もいるかもしれませんが、今その子には、あれこれ考えたら解けるものも結構あると感じてもらうことの方が大事なのではと思っています。

今の学校の学習内容に追いつくまでにはまだ道のりは長そうですが、曖昧なところを詰めていくことで、おさらいしかしていなくても解けるものは増えるのではないかとも思います。恐らく、決して好きではないであろう数学を、どこまでがんばってくれるか、なんとか気持ちが続くよう気を付けたいと思います。

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