やはり、急がば回れだろうか。
先日から一緒にレッスンをさせてもらっている高学年さんは、既に算数でかなり苦戦状態になっていて、これまで学校で習ったことも、理解できていないところ、忘れているところが、かなりたくさんあるようです。
それでも学校は先に進んで行ってしまいますし、なんとか少しでも追いつきたいと思ってしまうものの、焦って答えの出し方だけ教えて覚えさせるのは、長い目で見たら何の解決にもならないと知っているので、その子も辛いだろうと思いながらも、何とか粘って粘って問題を考えてもらっています。
そんな中、3桁×3桁のかけ算の筆算で、掛ける数の十の位が0のものを解いてきたものが(掛ける数が907だったのですが)、900の「9」を掛けた答えを十の位から書き始めていて、当然全く答えが違っていました。
単にうっかりしたのかなと思い、もう一度解いてもらったところ、やはり十の位から書いて同じことをします。それではおかしくないか尋ねると、今度は書く位置は変わらないまま、掛け算自体がおかしくなりました。
そんなとき、900の「9」は百の位なんだから、答えも百の位の下から書き始めなくてはダメなんだよと教えたら、その子は答えを出せるようにはなるでしょう。百の位だからその位置からときちんと説明をしたとしても、そう説明されたものはほとんど記憶に残らず、答えが合うときもあれば間違うときもある状態が続くだろうと思います。(大量に反復練習をさせて、体に覚えさせれば話は別ですが。)
でも、その子には数の感覚がないわけですから、テクニックだけを覚えても、ほとんど役に立たないでしょう。その子が理解しなくてはならないのは、7×9で63と出たその数は、100が63個あるということなのだということで、100を集めているのだから、答えが630のように十の位に0以外の数が出るはずはないということです。
先に進まねばならないことはわかっているものの、何度も十の位に書いては、その間違いに全く気付かないその子には、「今計算しようとしているのは7×900のところなのだから、900円のもの7個で630円になる?」というようなことを言って、足し算でも何でも、どれだけめんどくさく解いてもいいから、7×900がいくつになるか考えてと伝えました。
しかし、それも900×7を筆算で書き、6300と答えが出せただけのようで、先ほどまでの計算で何がおかしかったのかはまだぴんと来ていない様子でした。
高学年ということもあって、さすがに1,2年範囲まで遡る決心はつかず、数回レッスンをしていますが、ここは思い切ってそこまで戻る方が結局は近道なのかもしれないという気もして、ちょっと思案中です。
| 固定リンク
コメント