もっとみんなに知ってほしい
これまで何度も書いていますが、私自身、教育学部を出て、塾講師をしていたこともあるにも関わらず、自分で教室を始めるまでは知らなかったことでもあり、それを知ったのが教室を始めるきっかけだったともいえるので、世の大人の多くが知らないとしても全く不思議はないのですが、それでも、ひとりでも多くの、子どもに関わる大人に、そして、子ども達自身に知ってほしいことがあります。
今日、ある中学生さんの保護者の方からのご紹介で、数学が苦手で困っているという中学生さんのお母様からお電話を頂きました。現状がどんな状態なのか説明してくださる際に、「習ったときはできてるみたいなんですけど」や「練習量が足りないんでしょうか」、「覚えても忘れてしまうみたいで」というような言葉が出てきました。
それは、そのお母様に限らず、算数、数学が苦手だというお子さんを持つ保護者の方から、初めにお話を伺う際には、しばしば出てくる言葉でもあり、私自身、その昔は「反復しなければ忘れてしまう」、「公式を忘れたら解けなくなってしまう」というような考えを持っていたように思います。
ですが、問題をきちんと考えて解くことを習慣づけるようになると、小学校で覚えるように言われた公式はほぼ何も覚えなくても大丈夫ですし(もちろん、覚えられるものは覚えておく方が便利ですし、円の面積などは覚えずに導き出すのはちょっと面倒でもありますので、いくつか覚えた方がいいものはあると思いますが)、考えることを習慣づけていれば、中学の数学でさえ、忘れたら解けなくなるような公式はとても限られています。
少なくとも、英語や理科、社会などのように、ある程度覚えておかなければ答えようがない教科とは全く異なり、暗記すべきことは極めて少ない教科だと思います。今日お電話頂いたお母様にも、少しそういうお話をしたところ、驚かれてしまいました。
覚えることが苦にならない子であれば、覚えた方が便利、速いということはありますから、それを止めるつもりはありませんが、算数、数学が苦手だと感じている子であれば、苦手なもの、嫌いなものを覚えるのは苦痛を伴いますし、そうなるとなかなか記憶に残りませんので、やはり覚えることは最低限にした方が、結果的によい方向へ向くことが多いのではないかなと思います。
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