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2021年5月12日 (水)

わかるようなわからないような

年長の初めに来てくれて、この春1年生になった子は、うちに来てくれる前にほかの教室にも通っていたとのことだったのですが、答えを間違えたりすると、まだ年長さんなのに、泣きそうな顔で「間違えてないよ」と訴えてくることがあり、前の教室で何かあったんだろうかと思ったりしていました。ですが、その後もとにかく間違えることに対して、必死になって間違えたんじゃないということを言ってくるので、そのたび、自分で気が付いたんだから間違いじゃないよとか、うっかり書き間違えただけでしょ?とか、できる範囲でフォローしつつ、それと同時に、間違えることは悪いことではないし、大人でも、もちろん私でもいくらでも間違えることはあるよという話もし続けてきたのですが、1年生になった今も、やはり変わらぬままです。

今週のレッスンでも、まだ分からないかなどうかなと思う問題があったのですが、その子は間違えることを嫌がる一方で、自分ができそうなことを説明されたり、助けられたりするのもかなり嫌がるので、まずは考えてもらおうと思い、様子を見ていると、多くの子が勘違いするところでその子も勘違いをし、それに関しては、経験がなければできないものでもあったので、説明したところ、わかってたけど書くのを間違えちゃったんだと(それ以前のやり取りなどから、書き間違えたわけではないのは確かなのですが)一所懸命に言うのです。

問題の答えを間違えたからと言って、よほどのことがない限り私は怒りませんし(例えば、ろくに考えもせず適当に書いた場合や、学年があがって、その子ならきちんと考えればできるはずのものを、何度も何度も同じ間違いを繰り返したりする場合などは怒ることもありますが)、少なくともその子は来てくれた当初から、間違えることに怯えているようだったので、尚更、間違いだという言い方をしないように気を付け、間違うのは悪いことではないのだと言い続けてきているのに、それでもやはり、その子にとっては、間違えることは泣きそうなぐらい嫌なことのようです。

人それぞれ、嫌だと思うことや悲しいと感じることの基準は違うのだろうと思いますし、私も人前で失敗するのは恥ずかしいと、失敗しそうなことは極力避けて通るタイプの子どもでしたので、その子の気持ちも全く想像できないというわけではないのですが、少なくとも、あそこまで気にしてしまうのは、その子にとっても辛いだろうし、なんとか和らがないものだろうかと思います。

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