まだまだ気づかされる
教室を始める前は、見学させてもらった教室で、まだ2年生だという男の子が分数の学習をしていて、4分の1時間が何分か、10分の7時間が何分かなどという問題を、ただ時計の文字盤を見つめただけで解いてしまう姿を見て、なんだこの子は?!天才なのか??なんで2年生でこんなことまでできるんだ??と驚いたのを覚えています。
ただ、教室を始めてからは、あのときの男の子は既に数年教室に通っていたであろうことと、覚えたことを使って機械的に計算をして出していたわけではないのだろうということが予想できるようになり、そうであれば、2年生でも十分できるだろうと思えるようになりました。
そして、実際、教室で子ども達とレッスンをするようになってからは、「〇年生だからこれはまだ難しいのでは…」という考え方はしなくなり、あくまでも一人ひとりの子の興味や能力などを見ながら、それぞれの子にできるだけ合ったペースで進めていくことを意識するようになりました。
説明しなくてもできるのではと思うことは、まず考えてみてもらうようになり、最初に説明することは覚えるしかない語句など、知らないと考えようがないことに限定するようにもなりました。
計算などの多くは積み上げていくものですから、例えば、100までの範囲のかけ算しかしたことがない子に、32×4を考えてみるように言えば、教室の子達はほぼ例外なく、たし算を使ったりして答えを出してくれるだろうと思います。「習ってないから分からない」という言葉を、教室を始めてからほぼ聞いたことがありません。
それでも私自身が、例えば、掛け算や割り算の筆算などは書き方(手順)を説明しなくてはならないと思っており、特に割り算に関しては、1桁で割る割り算と2桁で割る割り算とには難易度にかなり差があると思っていたので、2桁で割る割り算は初めに一緒にせねばならないと思い込んでいたことに今日また気づかされました。
割り算の筆算や暗算が続くと、頭がぼーっとしてくる子も少なくないので、今日のあるレッスンで、プリントの順を変えて、1枚文章問題のプリントをしてもらったのですが、その子はまだ1桁で割るか何十で割るかの割り算しかしていなかったのに、文章問題の中に2問も、2桁で割らなければならない問題が混じっていたのです。
しまったと思い、後回しにしてもらおうかと思ったのですが、その子は全く躊躇うことなく式を書き、当たり前に答えを考え始めました。それは暗算でしたが、その子の手の動きなどを見ていると、2桁で割る筆算をする際に、きっと全く説明をしなくても、書くべき形に書いてしまうだろうと思えました。
もちろん、みんなができるとまでは思いませんが、少なくとも、割る数が2桁になっても、説明なしに考えられる子達がいるのだということに気づかせてもらえました。そうであれば、2桁で割る割り算も、最初は「まず考えてみて」という必要があるのだなと。
もう18年近くやっていても、まだまだこうして気づかされるのは、ありがたいことだなと思います。
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