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2021年4月20日 (火)

切ない口癖

子ども達とレッスンをしていると、問題を考えてもらっているときに、「待って待って」とか「ちょっと待って」とか言われることが少なくありません。
そもそも、私は子どもが考えている間は待ちますので、それを言われるたび「待ってるやん?」とか「何も言ってないよ?」などと返すのですが、それでも、別の機会に同じ子が、こちらが待っているにもかかわらず「待って!」と言ってくるのです。

その言葉を聞くたび、いかに普段の学びの場で、考えている途中に遮られる経験をしている子が多いのかを思い、ちょっと切なくなります。
分かるまで考えたいのに、何かしらアドバイスをされたり、時には解き方を説明されたりする経験を何度もしているからこそ、待つのが当然のスタンスの私にまで、待って!というのが癖になっているのだろうと思うからです。

これまでに何度も書いていますが、私自身、教室を始めた際は、子どもが考えるのに必要な時間がそんなにも長いのだとの実感がありませんでした。教えてはいけないと言われていたため、目の前の子をじっと見つめながら、本当に待っていていいのだろうか、これでお月謝を頂いていいのだろうかと、何度も何度も葛藤し、塾講師だった頃に待っているつもりだった時間の数倍の時間、もう限界を超えているぐらいまで待っていると、何事もなかったかのように答えを出す子を何度も目にするようになり、「今、ずっと考えてたの?」と尋ねると、当たり前に「うん」と答える子ども達を見て、小さい子達が考えるのに必要な時間はこんなにも長いのか!!と心底驚いたのは今でもずっと忘れられません。

集団授業の学校ではなかなか難しいかもしれませんが、せめてご家庭では、自分が考える「子どもが考えるのに必要な時間」の3倍から5倍ぐらいの時間待ってみてほしいと思います。もちろん、ご家庭では子どもも気が散りやすかったりするかもしれませんし、問題によってや、その子の興味、能力の違いによって、あっという間に答えを出す場合もありますが、少なくとも、考えていそうな間は待ってあげる、判断が付かない場合は「助けがいるときは言ってね」などと言って待つということが、後々大きな力の差になって表れてくるように思います。

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