それがいい方法だとは思わないけど
年長の頃から来てくれているものの、ずっと数に関して苦労している子がいます。適当にやっているわけではないのはわかりますし、形などの問題にはさほど苦労せず、問題によってはスラスラ解いたりもしますので、その子の持って生まれた能力が、数に関する部分はでこぼこの「ぼこ」になっているのかもしれません。
仮にそうだとしても、その子は日々学校で授業を受けていますので、少しでも学校で困らないようにということを考えて、できることをしているのですが、数量感覚がなかなか伴わないこともあり、引き算は特に間に0があるようなものになると、何度やっても身に着かない状態が続いていました。
計算で苦労しているのはわかっているので、その子に関しては、暗算の問題でも筆算を使ってでも答えが出せればよいことにしているのですが、例えば、2000-123とかのように、何千とか何万とかジャストの数から引き算をすると、どうしても上から順々にくり下がってくることを覚えてくれない状態で、さてどうしたものかと。
がんばっているのにできないものを「なぜできないの?」と言われても本人もどうしようもありませんから、どうすればその子がその類の問題を解くことができるか、あれこれ考えました。
その結果、ジャストの数から1桁の数を引いた答えは少し考えたらほぼ間違えずに答えられるようになりました。(3000-2=2998のようなことです。)ですので、その子には、仮に「3000-182」という問題であれば、まず2を引いたらいくつになるか考えた後で、残り180を取るという考え方をすれば、間違える確率が格段に減りました。
そして、「こうやって考えたら解けるんだから、がんばって宿題もやってね」と言ったときに、計算用紙を手に取って「これ持って帰る。忘れたらこれ見てやる!」とその子から、宿題に対して前向きな言葉を聞くことができました。
年長さんの頃から数はあまり好きではなさそうだったので、嫌々やって間違いが多発しているのかと思ったりしていたのですが、100を超えてくると、その子にとってはイメージできない数だったのだろうと思います。それでも何とか答えを出そうとするのに、ほとんどバツになってがっかりしていたのかもしれません。傍から見たら、なんてまどろっこしい解き方をさせているんだと思われるかもしれませんし、例えば筆算の書き方を何度も何度も繰り返し教えて練習させれば、答えは出せるようになるかもしれませんが、その子にとって、その答えは全く何もイメージできていないものになってしまいます。
子どもの成長は読み切れないので、今は苦戦していても、きちんとその子が分かる方法で積み上げていっていれば、あるときぴょこんと段を超えるときが来るかもしれません。
今はまだ低学年なので、手間がかかる方法であっても、その子自身が考えられる方法、理解できる方法で答えを出してもらえることの方が大事なのではないかと思います。
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