何が邪魔をしているんだろう
1月中頃から一緒にレッスンをしている高学年さんは、恐らく持って生まれた能力的には優れているのではと思うのですが、これまでの学習の仕方の影響なのか、とにかく考えるより先に、習ったことをうろ覚えのまま解き始め、「当たれば」それでよし、「外れれば」違う計算をし直すという感じの癖がなかなか抜けません。
もちろん、習ってしまったところを習ったことを忘れなさいといっても難しいので、先日からまだ一切習っていないはずのところを一緒に学習し始めました。そうは言っても、これまで習ったことをきちんと意味まで理解していれば、何も教えられなくても、図を描いたりすれば解くことができるような問題だったので、敢えて、まず考えてみてとだけ言って、様子を見ています。
今週のレッスンでも、分数と割合の問題が中心だったので、問題に合うような線分図を描いてもらったりしたところ、すんなりと行かないものもありましたが、きちんと図が描けるものの方が多く、描き上げた図を見届けて、「じゃあ分かるはずだから考えてね」と再び待っていたところ、どうしてなのか、絵を描いたことが全く役に立っておらず、訳の分からない計算を次々と繰り出すことが何度もありました。
そのたび、それは一体図のどこを求める計算をしているのかを尋ね、おかしなことを言っていれば再度描いた図を確認させ、求めたいものは与えられている値より大きくなるのか小さくなるのか確認し、どうにかこうにか答えに辿り着くのです。
問題に合った図を描けるのに、それを見て答えを出すことができない子はあまり記憶になく(図に表せない子や、本来求められている計算式は思いつかない子などはいますが。)、この子は一体何によって思考を邪魔されているんだろうと、そのことがとても気になっています。
分数が絡む割合の問題だと、例えば、「全体の3分の1を使い、残りの5分の2を使ったところ、残金が600円になりました。元の所持金はいくらでしょう。」というような問題の場合、一般的な解き方だと、「1-1/3=2/3 2/3×2/5=4/15 1-(1/3+4/15)=3/5 600÷3/5=1500」という感じになりますが、線分図を描いてしまえば(得意な子は描かずとも頭の中のイメージで解いてしまえますが。)線分図をまず3等分し、3分の2にあたる部分を5等分し直すと、5等分したうちの3つ分が600円ですので、3つ分が600円なら1つ分が200円。5つ分は1000円。これは元の3分の2にあたるから、もとは1000÷2×3で1500円と、きちんと図を描いて、それを見れば、分数の掛け算、割り算を知らない子でも解くことは可能です。
まあ、一緒にレッスンをするようになってまだ2か月ほどの上、そのうちひと月以上は学校でテストがあるとか、テストの直しでわからないところがあるとかで費やしていましたので、真っ白の単元を一緒にし始めてからはまだ数回ということを考えると、そうすぐすぐ変化は出ないかもしれませんので、粘り強くがんばらねばと思います。
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