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2021年3月23日 (火)

先入観を持ってはいけないんだった

教室を始める前、見学に行かせてもらった教室で、小2の子が分数の学習をしているのを見ました。その子は時計の文字盤を見つめながら、4分の1時間が15分だとか、最後には10分の7時間は42分だとかまで答えていて、それを目の当たりにしたときの衝撃はかなりのものがありました。
その頃の私は「なんだ、この子は天才なのか?!」とぐらいに驚いたような気がします。

というのも、教室を始める前に勤めていた塾で、中学生でも多くの子が60×1/4とか60×7/10とかの式を書いて計算していましたので、小2の子が分数のかけ算までできるとは!!という驚きだったのですが、いざ自分で教室を始めてみると、あの子は分数を大きさとして理解していたのであって、60×7/10をして42分と言ったわけではなく、文字盤を10等分したらひとつが6分になるので、それを7個分集めるから42分というような考え方をしていたんだろうなと気づきました。

今では幼児にも算数をさせるということはそんなに驚かれることでもなくなっていると思いますが、それでも、低学年で分数の計算をすると聞くと「できるんですか?」という驚きの反応が返ってくることもあります。それは、学校では5年生以降で習う計算を使うものを低学年の子が解けるはずはないのでは?という思い込みなのだと思います。

何年生だからこのぐらい、何歳だからこのぐらいという基準が、知らず知らずのうちに出来上がっているのだろうと思います。(少なくとも私はそうでした。)教室を始めて以降、算数に関しては、色々な考え方ができるので、分数のかけ算やわり算を知らなくても、その考え方を使う問題は解けるし、そのほかにも、まだ習ったことのない学習内容であっても、既習の知識や工夫で解けるものは結構あるということを実感していますが、どうやら国語に関してはまだ結構な先入観、線引きをしていたのではという気がします。

国語だって、興味のある子は難しい本でもどんどん読んでしまうでしょうし、そういう子達は難しい漢字や言葉もたくさん知っているかもしれません。漢字が好きな子は進んで先の学習をしていくかもしれませんから、そういう子は先の学年の漢字の読み書きもできるでしょう。
褒めるべきところは褒めればいいと思いますが、あまり「〇年生なのにすごい!」とか「〇年生ならこのぐらいはできないと」とかいう考え方をしないよう、一層気を付けたいと思います。

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