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2021年3月 4日 (木)

ちょっと切なくなる

先日から、算数、数学に強いコンプレックスを持ってしまった中学生さんとレッスンをさせてもらうようになったのですが、その子とレッスンをしていると、必要のないところで、力なく「ははは」と笑うことがよくあります。

私は、算数、数学が得意なお子さんとも苦手なお子さんともレッスンする機会を頂いているので、苦手な子には、今分からないことを恥じる必要も誤魔化す必要もないということは伝えますし、分からないところはひとつずつクリアしていけばいいのだという話もします。

ですから、少なくとも私の前では、分かったふりをする必要もなければ、取り繕ったり、笑ってごまかしたりする必要もないのですが(仮にそういうことをしても、ほとんどの場合、分かっているか分かっていないかは表情などを見て判断できますので)、その新人さんの場合、私にはそういうことをする必要がないということは理解してくれているのに、それでも必要ないときに何度も「ははは」と笑ってしまう。その姿を見ると、ちょっと切なくなります。

想像でしかないので、違うかもしれませんし、そのことを本人に確認することはかえって傷つける可能性もあるので、確かめるつもりはありませんが、これまで何年にも渡って、その子は、授業の内容の大半を理解できず、それでも授業は受けねばならず、日々学校は続いていき、友人関係も色々とあるわけで、その力ない笑いは、その子にとっての処世術のひとつだったのではないかと思うのです。

まだ数回しか一緒にレッスンをしていないので、すぐすぐ変化が現れるのは難しいだろうと思いますが、それでもレッスン中に「あ~あ!」というような声を出してくれることがあり、そういうときには声に力もこもっていますので、きちんと理解できた、納得できたのだなとわかります。そういう経験を算数、数学では長くしてこられなかったのだろうと思いますから、その「あ~あ!」といえる機会をできるだけ多く作っていくことで、コンプレックスが和らいでいくだろうと思います。
なんとか受験に間に合う段階で変化が現れてくれることを願いつつ、私もがんばろうと思います。

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