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2021年2月13日 (土)

無理と言われたのに嬉しい

一緒にレッスンさせてもらうようになって半年ほどになる子とのレッスンでのこと。
その子は時々何を尋ねても黙り込んでしまって、一切に何も答えなくなることがあり(そういうタイプの子はこれまでにも何人かいましたが、成長と共に少しずつ程度が和らいでくることが多かった気がします)、おうちの方の話では、私の前に限らず、おうちでも学校でもそういう状態になることがあるのだと伺っていました。

そのときの状況から、こうかな?ああかな?それとも…と思い当たることを色々尋ねてみたりするのですが、そういうときはうなずいたり首をふったりすらしてくれず、お手上げになってしまうこともありました。
そういう状態になると、最終的にはおうちの方が言い聞かせて、どうにか取り組ませるか、おうちの方が何を言ってもダメなら諦めるかという感じの時期があったのですが、最近はそこまでの状態になってしまうことはほとんどなくなっていました。

それでも、不調の陥ったときに何も言ってくれないのは相変わらずで、行き詰った課題をするかしないかだけはうなずくか首を横に振るかで答えてくれるようにはなっていました。
そして、今週のレッスンのある課題でフリーズ状態になり、色々声掛けをしたものの抜け出せず、どうしようかなと思っていたところに、突然大きな声で「無理です!」と意思表示をしてくれたのです。

子ども達とレッスンをしていて、「無理」とか「できない」とかはっきり言われて嬉しかったのは、これが初めてかもしれません。
本当は無理と言われたら全く嬉しくはない状況だったのですが、それでも、その子がこんなに大きな声ではっきり自分の思いを伝えてくれた感動の方が上回りました。
その子の中でまたひとつ何かステップを上がったのかもしれません。

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