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2021年1月14日 (木)

珍しいケース

1年生の初期の段階で簡単な足し算、引き算にも苦戦し、おうちで教える限界を感じられたことでご縁を頂いた子が今はもう高学年です。
その子は好きなこと、得意なことも色々あるようですが、いわゆる「勉強」といわれる教科に関しては全般に苦戦しているそうで、小さい頃から通ってくれている算数も、バッチリできるようになっていたはずのことも少し経ったら(やり方を覚えさせたわけではないのに)きれいさっぱりできなくなっていることもあったりして、がんばっているだけに、なかなか結果につながらないことをもどかしく思ったりしています。

ただ、この子に関しては「数量感覚がない」というのとはちょっと違っていて、図形などの問題は比較的得意でもあり、問題によっては、あれ?そんなに簡単に解けたの?と驚かされることもあったりしますし、図を描いて考えることは嫌がりません。

ただ、これまでの様子からすると、多くの子が苦手とする割合の単元は苦戦するのではないかと思っていました。教室で割合の学習をする際には、公式を覚えさせるということはしませんので、それぞれの場合、どう考えたて解けばいいかを考えてもらうのですが、割合に関しては0.5倍とか、3分の1倍のような、子ども達にとっては馴染みの薄い表現も出てきますし、割合を小数で表したり、百分率で表したり、時には歩合で表したりと、とにかく色々入り組んでいるので、難しいと感じる子が多い単元です。

難しい単元とはいえ、この子には公式を丸覚えさせても混乱するだけなのではと思い、1問1問、例えば「これが2400円だとしたら、このうちの30%ってどのぐらい?」というように、線分図を描いて尋ねると、「このぐらい」と印をする位置はほとんどがかなりいい線いっていて、ずれても許容できる範囲というぐらいでした。
この感覚がしっかりあるのに、この子の場合、2400円と0.3、掛けるか割るか、どちらをすればもとより小さい答えになるかというところで「かけ算すれば大きくなる」という考えが邪魔をするのがまたもどかしいのですが、量の感覚があるのに、ここまで計算が苦手というのは、なかなか珍しいケースです。

本人が学校などで困ったり、嫌な思いをしたりはしていないようなのでいいのですが、何かがきっかけでスイッチが入ってくれたらいいのになぁと思ってしまいます。

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