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2020年11月14日 (土)

子どもにとっての難しさ

子どもの能力はみんな違っているというのはいつも書いていますが、それとは別に、一部の飛び抜けて感覚が優れている子は別として、子ども達にとって、簡単に感じる範囲は成長に伴って広がっていくものなのだろうとも感じています。

かつて教室を始めるきっかけを頂いた先生は、学校ではまず10までの足す、引くをして、終わったと思ったのに、学年が上がると100までの足す、引くが、その先にまた大きな数の足す、引くが…と、やった、できた!と思ったのに、また出てきた、また出てきたとなって、段々やる気をなくしていくので、足し算・引き算であれば一気に10000ぐらいまで(もちろん順番にですが)、掛け算も九九の範囲から一気に2桁×2桁や筆算まで、まとめて学習させるとおっしゃっていて、私も初めはそうしていたのですが、それでも十分やっていける子はごく僅かで、大半の子はまだ低学年のうちに100を超える数をイメージして操作するというのはかなり負担が大きく、時にはかえって嫌になってしまうこともあるように感じるようになって、教材の順を入れ替えたり、自作の教材になってからはそれをもっと思い切って変えたりしてきました。

九九を暗記すれば、かけ算の意味すら理解していなかったとしても、答えを出すことはできるようになります。
それを同様に、2桁×2桁のかけ算の筆算は、テクニックとして、どことどこの数をかけてそれをここに書き、次にどことどこの数をかけて…と「書き方」を教えてしまえば、九九を暗記している子であれば、それなりに答えを出すことはできるようになります。

ですが、過去にそろばんでかなり先まで学習が済んでいるという低学年の子が、2桁×2桁の筆算の、2段目の答えの書く場所を間違えて、全くあり得ない答えを書いて、「答えがそんなに少ないはずないよね?」といっても、全く通じなかったことがあり、その子以外にも、計算の仕方は覚えているのである程度できるものの、自分が何の計算をしているのか、そこに書いている数は何を表しているのかは全くわかっていないという子はいました。

つまり、ほかの塾や教室、学校では、テクニックとして教えて覚えさせ、正解できたらそれでよしとしてしまうことがあるということで、それは危険なことだと思っています。イメージできない数の計算を、前倒しして、意味も理解させずにやらせる必要はないのではないかと思うのです。
前倒しするのであれば、意味を理解させる。意味が理解できない段階では無理はさせない。それはきっと大切で、子ども達が算数を嫌いにならないためにも必要なことなのではないかと思います。

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