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2020年11月19日 (木)

試行錯誤の時間

小さい頃から来てくれている子達にとっては、算数は考えるのが当たり前という感覚でいてくれる子が多く、説明されるのを待っているような子はいないのですが、そうやって小さい頃から学んでいる、中でも算数が得意な子達であっても、問題の内容が難しくなってくると、私の予想より随分ペースが下がることがあります。

普段の様子を見ていると、このぐらいはできるのではと用意していたものがその半分も進まないようなときに、この子でもこれだけ時間がかかるのかと気づかされると同時に、どうすれば解けるか気づくまでに得意な子でもそれだけ時間がかかるものを、学校や塾などで先生が説明をして、とりあえず問題を解けるようにしたとしても、定着度はかなり低いのだろうなとも思います。

今日のレッスンでは、ある子が公約数の利用の問題で、27を割ると3余り、40を割ると4余る最も小さい数を求めようとして、初めは全く閃かない様子で1から順に試して考えようとしたので、少し待ってみたものの、「1は違う、2も違うな、3は…」と続いていき、そうかと思えば突然とちゅうが飛んで先まで行っていたりもしたため、「初めに27個用意したら3個余って、40個用意しても4個余るのだから、いくつずつ用意していれば余らないか分かる?」と尋ね、24と36という数に気づいてもらいました。

すると、それぞれの約数を考えて、公約数を見つけたものの、今度は書き出した「1、2、3、4、6、12」を1の方から順に確かめ始め、1も2も3も4もダメだったことで、公約数じゃないのかなと思ったらしく、24と36のそれぞれの約数のうち、公約数ではないものについて考え始めました。

それも少し様子を見ていたものの、当然問題に合うものはありません。困って、次は倍数を考えようとしたので、「24や36を48とかで割れる?」と声掛けをし、「ところで、さっき違うと思って消したみたいだけど、12で割ったらどうなるの?」と尋ね、確かめてもらうと「あ、いける!」と。「じゃあ6は?」というと「あ、これもいける!」そこで、「でも、4とかほかはダメだったんでしょ?」というと、「あ!そうか。あまりが3とか4とかだから、1から4はあかんのか!」とようやく気づいてくれました。

その後はその考え方を使うような問題をスイスイ解いていましたが、普通の塾などではたった1問にここまで試行錯誤はさせないでしょうし、やり方を説明されて、その場では「ああ、そうか」と思って解いて通り過ぎていくのだろうと思います。

これだけ試行錯誤をしても忘れるものは忘れますから、それすらしなければ、更に記憶には残りづらいだろうと思います。
ただ、受験塾などでバリバリ問題をこなさなければならなくなってから、そこまでじっくり問題に向き合う時間的余裕はなかなかなくなるでしょうから、尚更、低学年のうちにじっくり時間をかけること、試行錯誤することが大事になってくるように思います。

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