割り算を知らなくても
大人から見ると、例えば3個で600円のケーキ1個の値段や3人で分けると1個あまるクッキーの数をいくつかの選択肢の中から選ぶとかいう問題を見ると、割り算を習っていなければできないのでは?と思ってしまうことがあるのではないかと思います。
もう少し面倒なものだと、秤の文字盤の目盛りに半周500g、1周の部分に1kgと書かれているだけで、ひと目盛りが何gになるかを求めるようなものになると、1000÷100などが分からなければ解けないのでは?と考えがちです。
しかし、実際は、その前段階できちんと考えることが身に付いている子達の多くは、3個で600円なら、1個100円だったら300円、200円だったら600円だから1個200円だと考えたり、クッキーも絵を描いて、1つずつ配ってみて、残りが1つになる数を探したりして解いてしまうことがほとんどです。
もちろん、秤の文字盤で100目盛りで500g、1kg…というようなものは、100で割ってしまうことができれば簡単ですし、少なくとも100倍の考え方ができるようになってからの方が圧倒的に簡単ではありますが、「簡単」に解いてしまう前の段階で、数を集めて答えを探したり、1つずつ絵を描いて分けてみて答えを見つけ出したりする経験が割り算の基礎になるのは間違いありません。
教えなくても、割り算というものの基礎を自らの頭で考え、実感することで、割り算の学習をした際にすんなり理解につながるということもあるでしょう。
子どもが(大人から見たら)まどろっこしい解き方をしていても、少し長い目で見たら、その経験が大きな力になるということも少なくありません。面倒そうだなと思って、親切心から解き方を教えてしまうことは、子どもの考える機会や試行錯誤の機会、気づく機会を奪っている可能性があるということを、大人が意識しておくことは大切なことではないでしょうか。
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