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2020年10月14日 (水)

「教えるのがうまい」

今日のレッスンのある中学生は、公立中だというのに、数学の先生が異常なスピードで授業を進めていて、休校期間があったにも関わらず、一般的な公立中学の進度より遥かに早い状態が続いています。
その子はうちでは数学だけしかできないので、よその塾にも通っているのですが、その塾はいくつかの中学の子が集まっているそうで、一般的なペースの学校を基準に、その少し先を進めている結果、学校がその塾よりかなり先に進んでしまっているというのです。

その子の話によると、先生は11月頃までに中3の内容を全て終わらせて、その後は入試対策をするというようなことを言っておられるようですが、公立であることを考えると、転校その他を考慮して、そのペースはさすがにないのでは?と思いながら聞いていました。

ただ、その子が言うにはその先生は「教えるのがとてもうまい」そうです。授業で説明したら、3分の2以上の子が問題をちゃんと解けているので、特に問題はないとのこと。
でも、そもそも、説明された問題をその場で解くのであれば、解ける子のほうが多いのは当然ですし、公立中で3分の1ほどの子が解けないのであれば、それは本当に「教えるのがうまい」と言っていいのかどうかは疑問が残ります。
また、何より、そんなペースで進めるには、先生が説明をして、問題演習をさせるというような形が中心なのではとも思いますので、それが子ども達に定着するのかといえば、疑わしくもあります。

もちろん、指導力の素晴らしい先生で、きちんと定着もさせられるのかもしれませんが、「教える」のがうまいというのは、その先生ほどではないとしても、私自身、塾講師時代に中学生の子達から学校の先生よりよくわかるとか、言ってもらったことがあるのですが、どれだけわかりやすく教えても、子ども達への定着度は驚くほど低かったのは忘れようのない経験でもあります。

うちに来てくれている子はまだかろうじてこちらで学校より先に問題を考えてもらうという状態を続けているので、なんとか大丈夫とは思いますが、塾などに行かず、学校の授業だけでがんばっているような子がいたら、その子達は大丈夫なのかと、人のことながらちょっと心配になってしまいました…。

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