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2020年10月 5日 (月)

色々な見方

子ども達に解いてもらう問題は、自作のものは別として、ワークブックなども事前に目を通しておくのですが、問題を解きながら、特に中学校の数学などでは、色々な発想ができるとか、色々な視点から見られるとかいうことで、問題が簡単になったり、難しくなったり、その差が結構大きくなるように感じることがあります。

ですが、その「色々な発想」や「色々な視点」というのは、習って身に着けるのはなかなか難しいもので、そういうことができるようになるためには、やはり小さい頃から自分の頭で考え、試行錯誤するということが大事なのではないかと感じます。
例えば、最近中学生の子と比例式を使った一次方程式の問題をしていたときにも感じたことがあります。中学校では比例式を学習すると、恐らく解き方として内項の積=外項の積(a:b=c:d であれば ad=bc)を教えるのだろうと思います。
もちろん、それは知っていた方がいいのは間違いありませんが、その解き方を習った子達の多くは、問題を見たら、それがどんな数でも機械的に内項同士、外項同士をかけて解こうとするように思います。

ですが、例えば x:0.6=1.2:0.8 という問題であれば、0.6×1.2=0.8×xという式になり、うっかりミスしそうな要素があちこちに出てきます。ですが、まずはこの問題全体を見て、左辺の関係が3:2になることに気づけばx=0.9だとすぐにわかります。
他にも、左右の関係を眺めるだけですぐ気付くような問題でも、内項の積と外項の積を求めて計算すると思い込んでいる子は、いちいち面倒な計算をし、問題が複雑になるほどミスをする確率も上がります。

また、方程式の利用の問題でも、例えば3つの連続した数の和が165と言われたら、頭が柔らかい子は3で割って真ん中、後はその前後と方程式を作るまでもなく解けますが、方程式の利用でxを使って…と思い込んでいる子は、こんな問題も(x-1)+x+(x+1)=165と式を作って解くわけです。

もちろん、持って生まれた能力の差や興味の差などはありますが、小さい頃から解き方を習い、覚えてその通りに解くことに慣れている子達には、習った以外の方法で解こうという発想はなかなか出てこないものだろうと思います。
ですが、問題が難しくなるほど、覚えた知識だけでは太刀打ちできなくなっていきますし、自分の頭で考え、試行錯誤する必要がどんどん高まっていきます。
ですので、小さいうちから、たっぷり時間をかけてもいいので自分で考えるという学びをさせてあげてほしいと思います。

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