集中力
私達はしばしば、集中力があるとかないとかいう表現を使いますが、よく考えてみると、好きなことに対して集中力がない人というのは稀なのではないかという気がします。例えば、勉強に「集中」できない子も、好きなゲームなら何時間でも、親にやめるように言われてもやり続けられるという子は多いでしょうし、大人でも気乗りしない何かをする場合には、なかなか集中できないのではと思います。
とすれば、「集中力がない」と表現される例の多くは、実はその人、その子にとって興味のないこと、好きではないことをしなければならない状況の場合だけなのかもしれません。
勉強に「集中」できない子に対して、仮にその子が何時間でもゲームをし続けられたとしても、「あなたは集中力があるわね」という大人はあまりいないような気もします。
興味がないこと、好きではないことでもがんばって取り組めることは集中力の有無というよりは、忍耐力や理性的な判断力の有無にかかっているところが多いのですね、きっと。
やりたくはないけど、やらなければ怒られる、その方がもっと嫌だからという判断や、これをやらなければ夢や目標をかなえられないから、そのために我慢しようという判断ができ、そのために気がすすまないことでも辛抱してやろうと考えられるかどうか。それは集中力には全く関係ないことだろうと思います。
もちろん、発達上の問題を抱えていて、本当に何事にも集中が続かないという人もいるかもしれませんが、少なくとも子どもに向けて使われる「集中力がない」という表現のほとんどが、どちらかといえば忍耐力がないに近いものなのでしょうね。
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