経験する場
今日のレッスンで、「~より…多い」という言葉の意味がまだ理解できていない低学年さんがいました。
年長さんや1年生の頃から一緒にレッスンさせてもらえる子とは、その理解ができているかどうか確認する場があるのですが、それより先の学習内容に進んでいる子達とは、直接確認させてもらう機会がないままに、それはもうわかっているだろうということで進んでいく場合もあり、後から、実はきちんと分かっていなかったのだと気づかされることもあります。
今日の子とは、新型コロナの休校時期にレッスンをお休みされていたこともあり、その間に学校のおさらいの内容でおうちで取り組んでもらった内容だったこともあり、私もはっきり気づいていないままでした。
問題では6個より7個多いというように、後者の数の方が大きかったこともあり、「7個」と答えてしまう状態だったので、「〇〇ちゃんは飴を2個持ってて、私はそれより1個多い飴を持ってるんだけど、私はいくつ持ってるか分かる?」と、私としては、数も最低限まで減らしましたし、後者の数の方が少ないので、そう尋ねれば「ああ!」という反応で「3個」と答えてくれるものだと思っていたのですが、首をかしげているのです。
ということは、目の前のその子はこれまでの日々の中で、誰かと何かを比べていくつ多いとか少ないとかいうことを、もしかしたらずっと意識せずに来たのだろうかという疑問を持ちました。
もちろん、物事を理解するペースや覚えていられる期間、その他色々個人差がありますので、これまでにもそういう機会があったものの、頭に残らずに来てしまったのかもしれませんが、普段の生活の中で、兄弟や親御さん、お友達などと何かを比べて、自分の方が多いとか、少ないとか、いくつ違うとかいうことを経験していれば、「算数の勉強」ということではなく、理解できていた可能性は少なくありません。
教室に来てくれる子達で、これまでも、賢いのに思いがけない言葉を知らないとかいう子にもしばしば出会いました。
たくさんの言葉を知っているほど、理解できる範囲も表現できる範囲も、そもそも自分の世界自体も広がるのだろうと思います。
テストでいい点を取るためとか、いい成績を収めるためとかいう狭い範囲のことではなく、人生を豊かにするためにも、色々な経験をし、色々な言葉を知ることはきっと大切なことなのだと思います。
| 固定リンク
コメント