イメージできるかどうか
今日のレッスンで、中1さんと方程式の利用の学習をしていたときのこと。
方程式の利用に関しては、式が作れれば大抵その後は解けるので、まずは立式だけをしてもらうことが多いのですが、小さい頃から通ってくれていて、きちんきちんと考えながら問題を解く子が、宿題にしてあったある問題ができなかったとのこと。
それは、池の周りを兄と弟が同じ方向へ向かって進んだときに、兄が弟を追い抜かすのは何分後かというもので、その問題の前にあった反対方向へ進むときに出会うのはいつかというものは問題なく立式できていたものの、こちらはわからなかったとのことでした。
そこで、速さが速い方の兄が弟を追い抜くときには、2人の関係はどうなっているのか尋ねたところ、やはりそこがイメージできていない様子です。2人が反対方向に歩く場合は、方程式が作れなくても、1分で60mと80m、2分で120mと160m…というように考えていけば、どこで出会うか気づくこともできますが、追い抜く問題に関しては2人の関係がどうなったときを求めればいいのか分からなければ、当然式のつくりようもわかりませんし、そもそも何をどう考えたら解けるのかもわかりません。
そこで、まずは弟が止まっていた場合はいつ追い抜くのか尋ねたところ、それはすぐにわかったようで、そこで気づいてくれるかなと思いましたが、まだ難しい様子。しかし、例えば、反対方向に進む場合は速さの和で割り、同じ方向に進む場合は速さの差で割ればいいのだというような教え方をしてしまったら、自分が何をしているのかきちんと理解できていないまま、とりあえず解くことはできる状態になってしまいます。
ですので、その後もグラウンドを走っていて、遅い子が速い子に追いつかれるのはどういうときかなど何度かやりとりをし、その子が気づくまで待っていたところ、ある段階で動きが止まり、何かじっと考え始め、式を作り、答えも出すことができました。
解き終わった後で、2人の関係が1周差になったときだということを確認しましたが、その段階ではもう気づいていたので、こくりと頷いただけでした。
もちろん、全ての問題をきちんと理解して進むのは時間的制約などで無理な場合も出てくるかもしれませんが、小さいうちにできる限りそういう学びをしておくことで、その先に必ず役に立つのではないかと思います。
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