« 心配ですね…。 | トップページ | 「賢くなる?」 »

2020年7月 7日 (火)

「ぼーっとする時間」

以前読んだ本に小さい子にとってぼーっとする時間はとても大切だということが書かれていました。
言いたいことは何となくわかるなと思っていましたが、小さい子とレッスンをしていると、心行くまで考えたり試行錯誤したりできる時間は本当に大切だけれど、子どもが少なくなったことで、その時間をなかなか与えられない子も増えているのかもしれないと感じることがあります。

小さい頃からおうちの方や習い事の先生などがその子のすることを見守り、よかれと思って手を貸したり、声をかけたりするというのは、一見よいことのようにも思えますが、子ども達が試行錯誤をするために必要な時間は思いのほか長かったりもして、私でさえも、内心(なんで何度も同じところに置いてるんだろう?さっきもやって無理だったのに…)と思ったり、余りに全く違うことをするので、お手本を何も見ていないのでは?と思って声をかけてしまったりすることがあります。
また、表情があまりにも嫌々な感じに見えて、助けなければダメかしら…と思ってしまうようなこともあります。

それでも、本人がはっきり嫌だと言ったわけでもないし、まだ何か考えていそうだし…とじっとこらえて待っていると、ある瞬間「あっ!」と気づいたような表情になったり、試行錯誤しているうちに偶然ながらも答えを見つけてすっきりした表情になったりすることがあるのです。
子どもがたくさんいてひとりひとりを手厚く見ることができなかった時代や、おうちの方達が忙しく、つきっきりで勉強を見ることができないような環境であれば、自分であれこれ試行錯誤をし、失敗しながらも何かを発見したり、横道に逸れていって何か別のことを学んだり、そうでないにしても、自分であれこれ心行くまで空想したり、考えたりと、自然と頭を広くたっぷり使えたのかもしれません。

子どもの数が減り、我が子が大切だからこそ、しっかり見守って、手厚くフォローしてしまうことで、もしかすると子どもの思考・試行の妨げになっていることがあるかもしれません。
焦らされると考えることが嫌になるということもあります。

小さい子にとっては、大人から見るとただぼーっとしているように見える時間も、とてもとても大切な時間なのかもしれないと意識しておいて頂けたら嬉しいです。

|

« 心配ですね…。 | トップページ | 「賢くなる?」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 心配ですね…。 | トップページ | 「賢くなる?」 »