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2020年1月10日 (金)

「できると思うから」

子ども達とレッスンをしているとき、その子にとって簡単そうなものは当然ですが、まだ一緒にやったことがないものでも、これまで学んだことを元にすれば、その子ならできるのではないかなと思うようなものは、「(あなたなら)多分できると思うから、ちょっとやってみて」と言って差し出しつつ、「もしわからなかったら助けるから」と言葉を添えます。

もちろん、やったことのない問題に挑戦することが楽しくて仕方ない子などにはひとこと添えずに差し出して、表情を見ているだけということもありますし、そこはケースバイケースですが、やったことのないものを前にすると身構えるとか、不安を感じるとかいう子には、ちゃんと見ているし、困ったら手助けするからという安心感ごと差し出すことで、先生がそういうならちょっと、ちょっと考えてみようかなと思ってもらいやすくなるのではないかと思っています。

ただ、当然ですが、「できると思うから」と言って差し出した問題が難しすぎて、その子には手も足も出ないようなものであれば、私の「できると思う」の言葉を子どもは疑うようになるでしょうし、逆に、簡単すぎる問題であれば、そんなのできて当然なのに自分のことをわかってくれていないのかなと思われるかもしれません。

傍から見ていると、何でもかんでもとりあえず「できると思うから」と子どもに丸投げしているように見えるかもしれませんが、そこは私なりにひとりひとりの子を見て判断していますし、できるはずのものでもその日のコンディションなどによって予想以上に苦戦しそうな場合は、当然無理はさせません。

そもそも、初めてする問題ですから、子どもがひとりで解けなくても「まだ教わっていない」のですから、「教わったのにできない」というのとは全く違います。教わらなくてもできれば、自信につながりますし、できなければ、どうすれば解けるのだろうとモヤモヤした状態でヒントや説明を聞くことになりますから、初めから説明されるのとは吸収の度合いが変わってくるのではないかと思います。

今日のレッスンでも、ある1年生さんに、まだ一緒にはやっていない3桁同士の足し算を、初めは100+300のような簡単なものから、最後は一の位も十の位も繰り上がるものまで順に取り組んでもらうことになったのですが、最初の何百+何百のプリントは「多分これは簡単やと思うんやけどやってみて」と言って渡し、スラスラできたのを見た後で、「それがスラスラできるんだったら、多分これもできると思うからやってみて」と、ひとつひとつ段階を経て、繰り上がりが出てきても迷わず解けたら「すごいね!ばっちりやね!」などと声をかけつつ、最後の二度繰り上がるプリントに到達したときには「すごいね!これ今までの中で一番難しいかもしれないけど、そんなにできるんだったら多分できると思うから、ちょっとやってみて。もし無理だったら助けるから」と差し出したところ、すっと問題に向き合って、繰り上がりに気づいては消しゴムが登場するというのを繰り返しながらも、私の助けなど必要なく、きちんと正しい答えを出してくれました。
全て終わった後は「すごいねぇ!今日の中で一番難しいのもばっちりやね!」というと、満足そうな表情を見せました。

そんな風に、一人ひとりの子に自分の頭をしっかり使って、達成感、満足感を感じてもらいながら、本物の自信をつけて行ってもらえたらなと思います。

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