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2020年1月29日 (水)

少し不安に思うこと

教室に来てくれている子達の中にはがんばっているのに算数で苦労している子もいます。
もちろん、算数では苦戦しているものの、他に得意なことがあったり、それぞれの子に素敵なところ、優れているところがあるので、あくまでも算数という教科について見たらという話ですが、教室では一所懸命考えてくれているのになともどかしい気持ちになるような子でも、学校の算数では困っていないとか、学校の算数ではいい点数を取っているとかいう話を伺うことが珍しくありません。

恐らくその最大の理由は、多くの小学校では「テスト」というのは大半が習った単元のまとめテストであるため、掛け算を習えば掛け算を使って解く問題しか出てこないというようなことが少なくないからではないかと思います。
出てきた数を使って習った計算をすれば大半は正解になるのであれば、問題の内容を理解しているかどうかは正解できるかどうかに関係ないわけです。

特に、真面目に先生の話を聞いてコツコツ取り組むような子であれば、習ったことをきちんと覚え、その通りにできれば、学校のテストではそれなりに点数が取れるはずです。
でも、そんなテストは小学校の間だけで、中学の数学になった途端、計算といっても、掛け算だけというように何か特定の計算だけすればいいというようなテストはありませんし(あるとすれば小テストのようなものぐらいでしょうか。)、定期テストはまだ範囲がありますが、実力テストなどになれば習ったこと全てが範囲になったりもしますので、全く手が出ないというようなことにもなりかねません。

教室に来てくれている子達やおうちの方には、必要であればそういう話もしますが、世の中にはそういう事実をご存知ない保護者の方も少なからずおられるのだろうなと。そして、それぞれのおうちの方が小学校のテストの点数だけを見て安心しておられるような場合、高学年や中学生になって、お子さんが突然全く算数、数学ができなくなったと慌てるようなことが起こり得るのではないかと不安に思っています。

私は元々中学校の教員志望でしたし、塾講師時代には小学校高学年や中学生をメインで受け持っていましたが、その頃から感じているのは、小学校と中学校のつながりがもっとあってもいいのではということです。
例えば、小学校では小数の計算を結構しっかりさせようとしますが、中学になれば小数で答えを出すことはほとんどありません。また、分数も小学校の間は帯分数に直すように指導されることが多いようですが、中学校では帯分数をほぼ使いません。
小数の計算が必要ないとは思いませんが、基本ができていれば、むしろ分数計算に重きを置くべきなのではと思いますし、帯分数に直せないのは困るかもしれませんが、必ず直させる必要があるのかどうかも疑問です。

小学校の先生が中学校やその先のことを意識して指導してくれれば、おのずと小学校のテストの内容も変わってくるのではとも思うのですが、きっとなかなか難しいことなのでしょう。
であれば、おうちの方がその辺りのことを知っておいて頂けたらなと(といっても、教室に来てくれている子達の話ではないので、ここに書いても仕方ないのかもしれませんが…)思います。

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