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2019年11月20日 (水)

何かが繋がる瞬間

小さい子達とレッスンをしていると、大人にとっては何でもないことでも、そうか、子どもには難しいことなんだなと気づかされることがよくあります。
例えば、多くの子が苦労する問題で、ひとつのシーソーにタヌキ1匹とリス8匹が左右で釣り合っており、もうひとつのシーソーにリス2匹とカメ12匹が釣り合っている絵が描かれているのを見て、タヌキ1匹はカメ何匹と釣り合うかを答える問題があります。
もちろん、学年が上がれば普通に考えられるようになる場合が多いと思いますが、これを1、2年生などが解く場合、すんなりいかない子が多いのです。

リス2匹とカメ12匹(カメは6匹ずつ色を変えて描かれているので、ヒントは与えられています。)の絵を見て、リス1匹だけだったら、カメは何匹で釣り合うかを尋ねても、すんなり6匹と答えられる子はほとんどいません。リスが1匹減るんだから、カメも1匹減ると考える子もいますし、全くわからない子もいます。

また、この問題の場合は答えがカメ48匹なので、描かれているシーソーの絵のスペースにカメが48匹乗せられそうにないというのも思考を邪魔しているのかもしれないとも思います。

この問題の場合、実際にものを使って見せてあげることも難しいので、掛け算などが理解できるようになるまで保留にしたりすることもありますが、今日のレッスンで幼児さんの問題の中に、もう少し簡単なシーソーの問題が出てきて、メロン1つとサクランボ2つで釣り合っている場合(その釣り合い自体かなり違和感がありますが(苦笑))、メロン2つとサクランボ5つだとどうなるかという問題が1問目でした。
よくできる子なので、すんなりわかるかなと思いましたが、メロンとサクランボだとメロンの方が圧倒的に重いのが普通ですし、それに引っ張られているのか、どうもぴんと来ない様子でした。

小さい子の場合、わからないと、次々答えをいうということもありますが、メロンかサクランボか同じ重さしかないので、3つ言えばどれか正解になってしまうので、それでよしとするのはあまり意味がありません。
そこで、メロンとサクランボではないものの、天秤に5gのおもりを2つと10gのおもりを1つ下げ、釣り合った状態を見せた後、10gのおもりを1つ増やして、5gのおもりをいくつ増やしたら釣り合うか考えつつ、実際に試してもらいました。
シーソーの教具なども触ってもらいつつ、かなり脱線もしたものの、プリントに戻った途端、はっ!という表情を見せた後、先ほどまでは全くぴんと来ていない様子だったメロンとサクランボの問題を正解し、続く問題も迷わず連続正解してくれました。

小さい子達は言葉ではまだうまく説明できない場合も多いですし、こちらがどれだけ言葉で説明しても分かってもらえないこともありますが、具体物などを通して経験することで、すとんと腑に落ちるような、何かの線が繋がるような瞬間を見られることがあります。
まだ時間の余裕がある幼児、低学年の間に、そういう経験をたくさんしてもらえたらと思っています。

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