どこまでわかるか見極める
この教室を始めて以来、どうすれば子ども自身が気づいて理解してくれるかということを心がけているので、高学年や中学生の子に対してでも、解き方を説明することはほぼせず、何かわからない問題がある場合でも、その子はどこまでは理解できているのか探り、手掛かりを見つけて自力で解けるところに繋げていくよう努めています。
今日のあるレッスンで、これまでにある程度比の学習を済ませた子に、三角形の面積比の問題を考えてもらったところ、分からずに困っていました。その問題は三角形の1つの頂点から線を引いて2つに分けた、片方の底辺は8cm、もう片方は10cmになっている図で、高さが等しいので4:5になるというものだったのですが、底辺がどこで高さがどこか確認した後でもどうもぴんと来ていないようでした。
ということは…と思い、不等辺三角形を1つ描き、1つの頂点を指して、「この三角形の面積を二等分するには、ここからどこに向かって線引いたらいいかわかる?」と尋ねると、ほんの少し考えてからすぐに「ここの真ん中」と頂点の対辺の真ん中だと答えました。
それは分かるんだなということで、続けて「じゃあ、面積が同じになるように4つに分けるんなら、どう線引いたらいいかわかる?」と尋ねると、真ん中を決めた後、それぞれの真ん中に印をして、対辺を四等分する印をつけました。
「それわかるんなら、これわかるはずなんやけど…」と言って再度問題を見てもらったところ、ようやく何か意味がわかったらしく、その後は特に助けなくても問題を解いていくことができました。
できなかった問題を解けるようにするために、私は一切解き方は教えていませんし、どう考えたらいいという説明も前もってはしていません。
その子がわかることが何か確かめ、それだけわかっているならできるはずと導いただけですが、ちゃんと解けるようになりました。
もちろん、ニ等分の仕方がわからなければ、もう少し段階を踏む必要がありますが、その場合は例えば正三角形を二等分、二等辺三角形の頂角からの二等分などができるかどうか確認してから気づいてもらうなどもできるかもしれません。
言葉で説明するのは簡単ですが、説明したものは子どもの頭から簡単に抜けてしまうのも事実です。
ですから、いかに説明を減らし、子ども自身が気づいてくれるかということに努めるのは大事なことなのだと思います。
| 固定リンク
コメント